巨人にとっては屈辱、阪神にこれほどなめられた年はないと思う理由【柴田勲のセブンアイズ】

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阪神は「総合力」の勝利

 阪神が優勝した。まずは岡田彰布監督におめでとうと言いたい。シーズンを通してスキのない野球を貫いた。大雑把な野球をしたチームにとっては辛かった。

「総合力」の勝利だ。抜きん出た選手はいなかったが、全員野球で戦った。大きな補強はなかった。大竹耕太郎はソフトバンクから現役ドラフト移籍だし、外国人選手ではシェルドン・ノイジーくらいだ。

 佐藤輝明を三塁に固定し、大山悠輔を一塁に回すと中野拓夢を二塁にコンバートした。木浪聖也も遊撃で飛躍した。既存戦力を適材適所で起用、我慢して使い続けた。この改革が一番の補強だったのではないか。

 外野はなんといっても近本光司の活躍だ。MVP候補が割れているらしいが、私なら近本を推す。1番打者に取ってほしいね。

野球は投手陣次第

 優勝の原動力となったのは投手陣だ。チーム防御率2.62は12球団トップだ。抑えを託された湯浅京己が離脱すると、岩崎優がカバーした。元々先発陣は質量ともにそろっている。中継ぎ陣も強力だから終盤の接戦をモノにすることができた。

 岡田監督は四球を安打と同等に評価する、こんな方針を打ち出した。ガンガン本塁打が出るチームではない。なんとか出塁してバントやエンドランを仕掛け、足で相手チームを揺さぶる。こんな意志の表れだ。

 阪神の四球数は468個、断トツだ。打線がつながりやすくなった。そして得点圏打率も高かった。

 いずれにせよ、野球は長期戦になると投手陣次第だ。阪神は改めて立証した。

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