10代女性に目隠しをして強姦…千葉県警「46歳元警部」の狡猾すぎる“証拠隠滅”

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「性欲や好奇心、スリル感があった」

 2014年に起こした事件については「性的な動画に触発されたと思う」とも述べていたが、裁判長から動画の内容について尋ねられると「何を見てたかってのは覚えてないですが、携帯で動画やビデオ……見てました」と、これまた消え入りそうな声で証言。「相手の同意なく蹂躙する方法での性行為というものですか?」と裁判長からさらに詳しく尋ねられ「はい」と認めていた。

「性欲や好奇心、スリル感があった」とも証言していたが、この詳細についても「どういう体してるのか、とか、どのような姿、格好をしているのか……自分でもこういう行為を続けたことについて……」と語尾が聞こえなくなる。そのため、裁判長が、

「今後、大丈夫なんでしょうか」

 と、出所後の再犯可能性を危惧して問いかけた。これに対しても、「二度と同じようなことはできません。そのために……社会復帰できたら、再犯防止の……」と、やはり語尾が消え入るような声で答えるのみ。出所後の再犯防止に向けた決意は判然としなかった。

「警察官だからこそ、どのようにすればバレないか知っていたはず」

 法廷では弱々しい振る舞いを見せながら自らの行為を「記憶がない」と繰り返した岡田被告。だが被害者たちは、事件のことを忘れられず、今も苦しみ続けている。

「就寝中に馬乗りになった犯人に、包丁を突きつけられた。本当に殺されるかもしれないという恐怖の中、完全にモノのように扱われた。悔しくて仕方なかった。犯人は“警察に通報するな。どこまでも追いかけるぞ”と言っていたため、何年もずっと怯えて生活していた。住んでいた部屋は引越しせざるを得なくなったが、周囲に聞かれるたび、笑顔で誤魔化すのが本当に辛かった。小さい音に過敏に反応するようになり、ほとんど眠れない日々が続いた。ようやく日常を取り戻しかけたころ、犯人が逮捕されたと聞き、フラッシュバックするようになった。涙が出てきたり、恐怖に襲われたり、何も手につかなくなった……」(Dさんの意見陳述・代理人弁護士による代読)

「包丁を見るたびに事件を思い出しておかしくなる。事件があって5年間は、いつかまた犯人がレイプしにくるのではないかと恐怖に怯えていた。包丁を見ると、これで自殺してしまおうかと考える。この苦しみが一生続くのかと思うと、耐えられるか不安になる」(Eさんの意見陳述・同)

 犯人が長年逮捕に至らなかったことから、被害者たちは恐怖しながら日々を過ごしていた。しかも、逮捕されたのが現職の警察官だったことについて、Dさんは「犯人は警察官と聞き、とても驚いた。もはや社会そのものが信じられない。絶望的な気持ちになった」とその衝撃を語り、Eさんも「警察官だからこそ、どのようにすればバレないか知っていたはず」と述べ、両名ともが、岡田被告に対して「一生刑務所にいてほしい」と望んでいた。

 ところが、岡田被告の弁護人は、被告が警察官だったことをもって情状酌量を求めていた。「警察官だったことから大々的に報道され、家族は離散した。自業自得と言えばそれまでだが、警察官だったことで社会的制裁も受けた」と、広く報道されたことや、退職金が不支給になったことなどを理由に、検察官による懲役17年の求刑に対して“懲役10年”が相当であると述べている。

 終始、「記憶がない」と自らの行為に目を背け続ける岡田被告。判決は9月27日に言い渡される。

高橋ユキ(たかはし・ゆき)
ノンフィクションライター。福岡県出身。2006年『霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記』でデビュー。裁判傍聴を中心に事件記事を執筆。著書に『木嶋佳苗 危険な愛の奥義』『木嶋佳苗劇場』(共著)、『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』、『逃げるが勝ち 脱走犯たちの告白』など。

デイリー新潮編集部

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