「嫌がるメスを無理やり交尾させ…」「大量生産して売れ残ったら里親に譲渡」 元社員が明かすペットショップ「クーアンドリク」凄絶な繁殖現場の実態

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引き渡し直後に感染症で死ぬケースが続出

 昨年5月、久留米店(福岡県)でマルチーズを購入した40代女性が訴える。

「購入した翌日の夜に下痢とけいれんで“瀕死”の状態になり、慌てて夜間動物病院へ駆け込みました。獣医には“寄生虫症と低血糖症で、あと数分遅れていたら死んでいた”と言われました。なのに、そのことをクーリク本部のカスタマーセンターに伝えても“二度と起こらないようにいたします”と言うばかりで……」

 同じく昨年5月、会社員の神馬亜矢さんは住吉店(東京都)でキャバリアという犬種を購入し、脚に障害があることが半年たって発覚している。

「『先天性の両側股関節形成不全』という獣医の診断を店に伝えると、あちらは“直接、確認する”と言って先生に連絡。“獣医は100%先天性とはいえないと話している”と反論してきて、約36万円かかった医療費の負担に全く応じようとしないのです。1週間以上やり取りを続けましたが、最後は根負けして泣き寝入りしました。来月には再手術する予定です」

 引き渡し直後に、感染症が原因で子犬が死ぬケースも相次いでいる。

 去る8月3日に江の島店(神奈川県)で若いカップルが購入したミックス犬は、パルボウイルス感染症のためにわずか4日後に死んだ。感染力が強く、子犬が罹患すると8割以上が死にいたるとされる恐ろしい病だ。

 この一件もデイリー新潮が15日に報じたが、東久留米店(東京都)でも同様の事例が起きていた。

元社員は「利益至上主義に支配されている」

 17日に同店でチワワを購入した40代女性が語る。

「店員は“元気で健康な子です”と言っていたのに、帰りの車内で咳をし始め、翌日には下痢で食事も受けつけなくなりました。病院に連れて行くと、パルボウイルスに感染していると診断され、そのまま入院。21日に亡くなってしまいました。ただ、店にそう伝えても“うちの店ではパルボは発症していない”の一点張りなんです。潜伏期間を考えれば、店で発症したのは間違いないのに」

 日本最大のペットショップチェーンで一体、何が起きているのか。

「今に始まったことではありません。この会社は命を取り扱っている意識が希薄で、利益至上主義に支配されているのです」

 こう語るのは、元社員の一人である。

 クーリクの創業は1999年。大久保浩之社長(44)が20歳の頃に、埼玉県草加市に開店した個人ショップが始まりだ。

「その後、安売り路線でチェーン展開に成功します。昔は客寄せのため、広告で『100円セール』『1万円セール』なども打ち出していました」(同)

 2010年には30店舗を超えるまでに成長するも、約1億8千万円の所得隠しが発覚。同社と大久保氏は、東京国税局から法人税法違反(脱税)容疑で東京地検特捜部に告発された。

「事件直後、大久保さんは一旦、母親に社長の座を譲りますが、15年に返り咲く。母親が社長の間も実質トップは大久保さんで、拡大路線を突っ走ってきました」

 16年6月には総計100店舗を達成。

 コロナ禍でペットブームが起きた20年には、新たに43店舗、動物病院31院、猫カフェ15店舗、トリミングサロン43店舗を続々オープン。21年4月にはじつに200店舗に到達した。

 その後も拡大は続き、現在、国内216店舗、上海など国外3店舗、売り上げ266億円(22年度)を誇る、日本最大のチェーンに上り詰めたのである。

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