“自分は頭が良いという態度が露骨に出るタイプ”“霞ヶ関全体から嫌われて”感染症対策の司令塔になったスーパーエリート「栗生官房副長官」の評判

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安倍政権を支えた杉田氏との違い

 栗生氏と共に仕事をしたことのある中央省庁キャリアOBは、

「とてもクレバーですから仕事相手として頼もしい男ではありますが、自分は頭が良いということが態度に如実に現れてしまうのがままあって、鼻白むところもありましたね。記者のことも基本的にはバカにしていて、副長官として正面から向き合うような対応はしていないんじゃないですかね。それは前任の杉田氏とは大きく違う点でしょう。私は杉田氏とも仕事をしましたが、とにかく人とは丁寧に付き合っていましたね」

 と話す。杉田氏とは杉田和博前官房副長官のこと。歴代最長となった安倍政権を支えた官邸官僚の1人だ。

「杉田氏は孫ほど歳の離れた記者とも懇談会を開いて、表向きには積極的にその考え方に触れようとしていましたね。記者らの背後には上司がいて、その上司からの指令で色んなことについて感触を窺うわけですが、それなりの対応をしてくれるので懇談は貴重な場だったようです。そういった良好な関係があり、“メディア操縦”が奏功したことも安倍政権の“歴代最長”を支えた要因かなと思います」(同)

バカと付き合ってもムダ

「特に今の若い記者は勉強不足で何でも聞いてくるタイプが少なからずいて、栗生氏はそれにウンザリしていたようですね。その気持ちはわからなくもないですが、政権を支える立場として何が大事かを考えたときに、ある程度メディアと上手に付き合って、“握って”おきたいと思うのが普通。栗生氏もそれをわかっていないはずはないので、対応の悪さは単に面倒くさがっているか、“バカと付き合ってもムダだ”という本音がそのまま表に出ているか、ということになるでしょうか」(同)

 警察OBや現役、そしてメディアを敵に回し、さらに敵として立ちはだかっているのが霞ヶ関だという。

「警察出身が2代続いていることに対して、霞ヶ関からは強い拒絶反応が出ています。“警察が続けてやる必要はないでしょ”というわけですね。杉田氏の場合は1966年に警察庁入庁と各省庁の事務次官クラスよりはるかに年長で、それだけでうまく収まるところもあったのですが、栗生氏は64歳と次官クラスとは年齢が近いので不満を漏らす人も多く、その結果が“2代続けての警察はちょっと……”ということのようです」(先の記者)

話し合い手は1人だけ

 栗生氏は官邸内でも孤立を深めているという。

「首席首相秘書官の嶋田隆氏とも疎遠になっていると聞きました。嶋田氏が前任の今井尚哉氏と同じ経産省出身ということもあって、今井氏から陰に陽にアドバイスを受けているということが気に障ったのか、理由はよくわからないのですが、関係は冷めていると聞きました。そのため栗生氏が具体的にやり取りするのは木原誠二官房副長官のようです。栗生氏の立場としては岸田官邸を取り仕切っている木原氏とコミュニケートしていれば十分だということなのかもしれません」(同)

 悪評の中には嫉妬も多々含まれてはいるのだろう。が、それにしても内閣官房副長官、内閣人事局長、そして今回の内閣感染症危機管理統括庁危機管理監と、表向き3つの職を兼務することになったスーパーエリートをフォローする声はほとんど聞こえてこないのが現状だ。

デイリー新潮編集部

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