「盗んだってこと?」とゴルフ界は騒然…ギャンブル癖を暴露されたミケルソンが今度は“仰天告白”の狙い

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 かつてタイガー・ウッズ(47)とともに米ゴルフ界の「ビッグ2」と呼ばれたフィル・ミケルソ(53)。すでにPGAツアーから新設されたリブゴルフへ移籍したため、テレビ中継などで彼の姿を目にする機会は激減した。だが、ゴルフ以外で話題になることは多く、つい最近も昔のギャンブル・パートナーが出版した暴露本によって、彼のギャンブル癖が詳細に明かされたばかりだ。そんな中、今度はミケルソン自身が自分の「とんでもない行動」を告白し、米ゴルフ界を驚かせている。【舩越園子/ゴルフジャーナリスト】

タオル・ドリル

 インスタグラムに投稿した2分半ほどの動画の中で、ミケルソンは驚きの告白をした。

 時は2004年4月に遡る。まだメジャー未勝利だったミケルソンは、名コーチとして知られるデーブ・ペルツ(83)の指導をマスターズの数カ月前から受け始めた。

 そして、ペルツの指示の下、練習場で175ヤードの位置まで数十ヤード刻みで目印となるタオルを置き、そのタオルを狙って距離を打ち分ける「タオル・ドリル」なるものに取り組んだ。このタオル・ドリルによって正確性の高いショットを身に付けることこそが、悲願のマスターズ優勝への最短の道だと確信していたのだ。

 マスターズの舞台、オーガスタ・ナショナルには、当時は現在とは異なる場所に2つの練習場があり、それぞれ「イースト練習場」「ウエスト練習場」と呼ばれていた。

 2004年大会の開幕前、オーガスタ入りしたミケルソンは、タオル・ドリルを行なうためにはイースト練習場が適していると判断。そこで毎日、タオル・ドリルを一生懸命に行なった末、悲願のマスターズ初優勝、メジャー初優勝を挙げた。

邪魔な看板を見つけて…

 そして翌年。2005年大会の開幕前、オーガスタ入りしたミケルソンが再びタオル・ドリルを行なうおうとイースト練習場へ行ってみると、驚くなかれ、こんな看板が立てられていたという。

「イースト練習場は小技の練習オンリーと書かれていたんだ」(以下、ミケルソン)

 これでは175ヤードまでの距離を打ち分けるタオル・ドリルができない。しかし、再びここで勝つためには、やっぱりあのドリルをやらなければならないと思ったミケルソンは、こんな行動に出たのだそうだ。

「チャンピオンズ・ディナーが終わり、チャンピオンたちが全員コースから去ったあと、僕は暗闇の中でこっそりイースト練習場へ行き、あの看板を抜き取った。そして看板を抱えたまま、マグノリアレーン(註:オーガスタナショナルの正門からクラブハウスをつなぐ並木道)をこっそり歩き、僕のSUVの後部座席に隠したんだ」

 ミケルソンは翌朝から、邪魔な看板が消えたイースト練習場で、何食わぬ顔でタオル・ドリルを行なったそうだ。

 そして、さらに1年後の2006年大会の開幕前、ミケルソンがイースト練習場へ行ってみると、やはり「イースト練習場は小技の練習オンリーと書かれた新しい看板が立てられていた」。

 ミケルソンは前年と同じように、チャンピオンズ・ディナー終了後にイースト練習場へ向かい、またしても邪魔な看板を抜き取り、自分の車に隠した。

「でも、翌朝、イースト練習場に行ったとき、周囲にたくさんのビデオカメラが設置されていることに僕は初めて気がついた。僕が看板を抜き取って隠し持ち、マグノリアレーンを忍び足で歩いている間抜けな姿は、カメラにしっかり撮られていたんだ」

 さすがのミケルソンも、タオル・ドリルを行なうことはもはやできないという気持ちになったそうだ。しかし、それでも2006年大会でマスターズ2勝目を挙げたことは、不思議な偶然だったのか、それとも、それまでの練習の成果がもたらした必然だったのか……。

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