【関東大震災100年】「富士山近くで稲妻が…」前兆はあった? 資料や記録に残る災害前に起きる異変の数々

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全国にある災害の前兆現象

〈ネズミが家屋から逃げるとその家屋は火災に遭う(北海道別海町)〉

〈井戸水が引けば、津波が来る(岩手県普代村・高知県室戸市)〉

〈イワシ雲が出ると地震がおきる(秋田県鹿角市)〉

〈地震の前には、キジなどの鳥が鳴く(千葉県・山梨県・長野県、宮崎県など)〉

〈地震が起きる前には、スズメ・カラス等の鳥がいなくなる(富山県小矢部市)〉

 総務省消防庁のホームページ内で「全国災害伝承情報」が公開されている。北海道から沖縄まで、地震に限らず水害や台風も含め、災害に関する全国各地の言い伝えを集めて、一覧表にしたものだ。その数は797(内容に重複あり)。

「有識者からの提言もあり、平成16(2004)年度から18(06)年度にかけて、都道府県から各市区町村へ、趣旨を伝えて災害に関する伝承情報を集めました。それらをデータベース化し、公開しました。22年にシステム改良もあり、一度閉じたのですが、翌年に東日本大震災が起こり、改めて伝承情報を見たいという意見が多く寄せられたことから、再びホームページ上で公開することになりました」(総務省消防庁地域防災室)

 改めて見ると、地震に際して鳥に関する異常行動は各地で伝えられており、キジやカラスの言い伝えが多い。他にも〈ヘビが屋根に登るは地震の知らせ。アリが多い年は地震多し。海底の魚が浮き上がるは、地震の前兆(愛知県豊田市)〉などもある。雪の多い地方では積雪を、山間部では地滑りに注意するための、実に多様な伝承が列記されている。

「科学的根拠が明解ではないため、キジやカラスなど、各地で伝承があるからといって、それが正しいというわけではありません。ですが、昔から言い伝えられてきた事なので、何かの参考にはなるのではと思います。どなたでもアクセスできるよう、ホームページで公開していますので、参照・活用していただければと思います」(同)

デイリー新潮編集部

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