カロリー制限よりも「プチ断食」! 朝昼夜で「食べるべき食品」が変化 体内時計を大切にする「時間栄養学」とは?

ドクター新潮 ライフ

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 うだるような暑さに負けないためには、パワーの源である「食」が重要なポイントとなる。だが、せっかく良い食事であっても、良い時間に取らなければ効果は台無しだ。そこで知っておきたいのが「時間栄養学」。何をではなくいつ食べるか。それが問題なのである。【柴田重信/広島大学大学院医系科学研究科特任教授】

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 中高年の方、とりわけホルモンバランスの変化により骨が脆(もろ)くなりがちな女性にとって、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)になるのをいかに防ぐかは後の人生のQOL(生活の質)を左右する大きな課題です。

 そこで問題です。

 骨粗鬆症対策にはどんなものを食べればいいでしょうか――ではなく、骨の元となるカルシウムが豊富な牛乳やチーズやヨーグルト、また骨の合成を促すビタミンKを多く含んだ納豆は、骨粗鬆症対策の観点から考えた場合、いつ食べるのが効果的でしょうか?

 答えは夕食です。

 なぜなら、夜のほうが朝よりカルシウム吸収率が高く、また造骨作用(骨の形成)は主に夜に活発になるためです。

食べる「内容」ではなく「時間」が問題?

 このように、「何を」ではなく「いつ」食べるかによる効果の違いを意識する。それが時間栄養学の考え方です。

 
〈こう解説するのは、広島大学大学院医系科学研究科特任教授の柴田重信氏だ。

「日本時間栄養学会」の会長を務めるなど、時間栄養学の研究をリードしてきた柴田教授は、世に「食と健康」に関する情報が溢れるなか、そこに「時間」という視点が欠けていると指摘する。

 メタボにならないように食べるものに気を配っているのに一向に痩せない、病気予防のために体に良いものを食べているはずなのに効果が出ない。そう感じている人がいたら、それはもしかすると、食べる「内容」は誤っていないものの、食べる「時間」が間違っているせいなのかもしれないのである。〉

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