「86歳で完済のめどが」 かつみ・さゆりが語った“12億円の借金”と副業失敗列伝 「ラーメン屋でメロンパンを売ったら臭いが…」「飼育したカブトムシはバルサンで全滅」

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ラーメンとメロンパンの香りが店内で混ざり合い…

さゆり ラーメン屋さんはうちの兄が店長だったんですが、人が良過ぎて来る人、来る人、みんな雇ってしまう。日本語喋られへん外国人から対人恐怖症の大学生、声の小さい声優に自称グラビアアイドル。誰一人、満足に接客できひんかったけど、小さい店にいつも9人くらい店員がひしめいていて、売り上げに占める人件費の割合がなんと68%。

かつみ 僕らグルメロケも結構行ってましたから「ラーメン」と「メロンパン」は視聴率がバーッと上がるのを知っていたんです。それで起死回生のためにラーメン屋でメロンパン販売を始めたら、ラーメンの香りとメロンパンの香りが店内で混ざり合って得も言われぬ臭いに。結局7カ月で店畳みましたね。

 そんな副業のイメージがついているからか、サウナに行くと必ず変なおっちゃんが寄ってきて「こんなんやらんか?」と声かけてくる。「小さいすし屋が空いてるで」とか「病院いらんか? 医者と患者つけるで」とか。こないだは「ちっちゃいキリン買えへんか?」って。なんでも、ベランダで飼えるくらいの小型キリンがどこかで売ってるらしい。

86歳で完済?

さゆり いろんな苦労もしてきましたけど、2017年に地元の地銀さんがローンを全て借り換えさせてくれて、金利が一気に1%台に。それまで金利だけで毎年1千万円くらい支払いがあって、2億6千万円くらい返済してきたんですけど、元金は一切減っていなかった。それが借り換えによってかつみさんが86歳のときに完済できるめどが立ったんです。まだ26年ありますけど、今でもその銀行の支店見つけたら、車停めて拝んでます。

かつみ ここまでたどり着けたのも、ひとえにさゆりちゃんのおかげですわ。借金も背負うて副業も失敗して、世間的に見たら僕は運の無い人生やったかもしれませんけど、唯一恵まれていたのは女運。

 でも、この間、インターネット見てたら、「さゆりちゃんは旦那以外完璧」って。やかましいわ!

かつみ・さゆり
漫才師。1963年生まれのかつみと69年生まれのさゆりによる夫婦漫才コンビ。95年に結婚、2000年にコンビ結成。近年はロケ芸人としても多くのテレビ番組で活躍。今年3月『さゆり流 愛の節約ごはん』を刊行。借金生活から生まれた、笑って泣ける節約レシピを紹介している。

週刊新潮 2023年8月17・24日号掲載

特別読物「地獄の淵を這って…私の『借金苦』物語」より

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