ドン底から脱出「ドムドムバーガー」の女性社長、「仰天メニュー」開発のために担当者を“減らした”理由

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カニが丸ごと一匹挟まったバーガー

 一時は“絶滅危惧チェーン”とまで言われたドムドムハンバーガーが好調だ。コロナ禍中に経営を立て直した上に、若者人気まで獲得。今や次に何をやってくるか気になる存在になっている。そのドムドム、経営譲渡時は「2027年に100店舗」と目標を掲げていたが、現時点では譲渡時より店舗数が減っている。また53年の社史のうち40年分が不明という驚くべき情報も。いったいどうなっている? さらに、なぜ大逆風のコロナ禍で復活できたのか? 優秀なコンサルや広告代理店でもついたのか? など、復活の立役者であり、8月で就任5年となる藤﨑忍社長に聞いた。【華川富士也/ライター】

 カニが丸ごと一匹挟まったバーガーに、バンズ代わりのカマンベールチーズでパテを挟むバーガー。こんな“イカれた”(褒め言葉)バーガーを出すドムドムハンバーガーが、最近大人気になっている。

 かつてスーパー業界トップだったダイエーの子会社として、日本中のダイエー内に店を構え、一時は400店舗を数えたと言われる。40代以上なら一度はその名を聞いたことがあるだろう。ダイエーへ行った際に家族や友人と立ち寄ったことを懐かしむ人もいれば、「まだあったんだ!?」と驚く人もいるに違いない。

 ダイエーの拡大と歩みを合わせて成長したドムドムは、ダイエーの衰退と共に店舗数が減少。“絶滅危惧チェーン”と呼ばれるまで追い込まれた。現在の店舗数は、7月28日に東京都北区の「イオンスタイル赤羽」内にオープンした最新の店を加えて28となっている。

 参考までに、2023年6月時点のハンバーガーチェーン国内店舗数は、マクドナルドが2965、モスバーガーは1291。4月に親会社が変わったロッテリアは7月半ばで307。なお、上記ドムドム最盛期の「400店」という数字は推定に過ぎない。実は当時の正確な店舗数がわからないのだが、その事情は後ほど。

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