「内部告発はこうして握り潰された」ビッグモーター前社長の甥が衝撃の独白! 前社長に不正を通報すると「仲良くせい!」

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“自分たちで傷つけるのは駄目よ”

 前社長は板金・塗装部門の幹部であるBP部長にLINEを転送したという。

「これはいいのか?と聞いたら部長は“時と場合によります”と言ったらしい。すぐに今度は部長から僕のところに電話がありました。で、工場長の悪行について厳しい言葉で伝えたんです。“あいつ許せん”くらいの感じで。だって確実に法律違反じゃないですか。でも部長は真剣な感じじゃなかった。電話の後ろで“駐車券お取りください”みたいな音が聞こえましたからね。他のことをしながら話半分で聞いていたんじゃないですか」

 翌日、部長は酒々井店を訪れた。

「でも、工場長は“自分は絶対そんなことしてない”と言い張った。僕も職場の雰囲気が悪くなるのは困るし、家族もいる。で、矛を収めたんです。最終的には部長が“自分たちで(車を)傷つけるのは駄目よ”と注意したくらいで、コーヒーを飲んで終わってしまいました」

 告発が握り潰された瞬間だった。

不正したのに出世

 もし組織に真っ当な危機管理能力があれば、ことの重大さに気付き、すぐに対処したはず。しかし、実際は甥と工場長との確執に矮小化された。感度の低さと、それが通ってしまう現場の空気がよくわかる。

 逃げ切れたと思ったのか、その後、工場長の横暴は増す一方だったという。

「酒々井店の営業成績は非常に良かったんですよね。社長も“日本一だね”みたいなLINEを工場長に送り、ゴルフに連れて行ったりもしていた。だから、工場長も“褒められとるぞ”“明日は社長とゴルフだ”と有頂天になっていたし、何とその後に昇進もしているんです」(甥)

 不正を告発された側が出世するとは、何と歪(いびつ)な組織であろうか。

「一方で、従業員からは、社長の身内の私が言っても解決しなかったことに絶望する声が相次いだ。実際、その後、数名が辞めてしまっているんですよ」

 現場を覆う落胆と悲嘆。

 前出の元従業員も言う。

「それでも改善されなくて、“結局、こういう会社だったんだなあ。言ってももう駄目なんだなあ”と思いましたよ。で、もう内部での解決は無理だ。最終手段だが外部に告発しよう、と。退職を決め、損保会社に洗いざらい伝えてやろうと思いました。自分が悪いことをしているなんて思っていない。とにかくもう不正をしたくないという思いが一番でした」

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