機動隊を相手に「クルド人100人」大乱闘事件の“真相” 埼玉県川口市に2000人のクルド人が住み着いたワケ

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容疑者の妻を直撃

 最初に車から降り、複数人から県道上で暴行を受けたと見られる被害者は20代後半のトルコ国籍の男性という。

「病院に運ばれた一人で、頭や首を刃物状のもので切られていた。7月中にこの被害男性を襲撃した殺人未遂容疑で、計4人のトルコ国籍の男性を逮捕した。が、8月1日には、襲撃された際に応戦した被害男性も殺人未遂容疑で逮捕。実は被害男性は事件後の7月12日、麻薬及び向精神薬取締法違反容疑で逮捕されており、今回(殺人未遂)は再逮捕となる」(埼玉県警関係者)

 逮捕された計5人はいずれもクルド人とされるが、付近の住民のなかには「クルド人は運転が荒っぽくて“怖い”との声が以前から上がっていた。改造車で県道を猛スピードで爆走したり、赤信号になる直前でも平気で突っ込んだりと、事故を心配する声は絶えなかった」と話す者もいる。

「刃傷沙汰の原因はハッキリしませんが、クルド人同士のグループ間で発生したトラブルが端緒となって、被害男性は事件が起きる前、別グループの男性らから車で追いかけられていたとの情報もあります」(前出・地元メデイア関係者)

 トラブルの真相を訊ねるため、最初に逮捕された容疑者の妻に話を聞こうとしたが、夫の“長い不在”に当惑した様子で、「分かりません」「知りません」と繰り返すばかりだった。

仕事は「解体業」

 クルド人は「国を持たない世界最大の民族」と呼ばれ、主にトルコやシリアなどに居住しているが、日本における「最大のコミュニティが川口市」だという。地元市議会関係者がこう話す。

「現在、川口市には2000人以上のクルド人が住んでいるとされます。トルコ政府は過去、独立運動を取り締まる過程でクルド人を弾圧。それにより世界中にクルド難民が散らばり、1990年代以降に日本でも難民申請するクルド人が現れた。実際に難民認定されたケースは聞いたことがありませんが、申請が却下されても『定住者』の在留資格などで暮らし始め、家族や親類を呼び寄せるケースが増えたと聞いています」

 川口市が集住地となったのは「地元の不動産業者がクルド人をはじめとした外国人に寛容だった」や「東京に近い割に物価が安い」など、諸説あるという。また川口に住むクルド人の大半は、日本人が敬遠する解体業などの仕事に就き、実際、逮捕された容疑者のうち「仕事は解体業」と供述している者が複数いるという。

「自分で解体業の会社を興し、同胞を雇うなどして成功しているクルド人もいます。彼らのなかには日本人を雇うなど、地域社会に溶け込んでいるケースもある。でも多くは生活基盤の確立に苦労しているようで、クルド人だけで集まって“孤立”しがちな面も。そのため不安に思っている日本人住民は少なくない」(同)

 今回の事件で地元の人々の懸念はさらに深まりかねず、「共生」への道筋は依然、容易でないという。

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