夏の甲子園を逃した大阪桐蔭「前田悠伍」 プロの評価は下がったのか、それとも…スカウトの“気になる本音”

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高校野球を引退してから“伸びる選手”

 さらに付け加えると、スカウト陣は、甲子園での活躍以上に重視している“見えない部分”があるという。

「大学生や社会人は秋までシーズンがありますが、高校生は7月で現役を終わる選手が大半です。最近はほとんどいなくなりましたけど、以前は高校野球を引退してから全く練習していないという選手もいました。自主トレやキャンプでいきなり怪我をする選手は、そういったケースが多いです。今は逆に、高校野球を引退してから“伸びる選手”がいます。特にピッチャーは個人でトレーニングして伸ばせる部分が多い。秋に練習を見に行ったら、見違えるボールを投げていて驚いたということも珍しくありません。そういう選手は意識が高く、プロ入り後の成長が早いですね。高校野球を終えてからも、高校球児の成長は続いているので、こちらも決めつけないことが大事だなと改めて認識させられます」(前出のセ・リーグ球団スカウト)

 筆者も、昨年の夏の甲子園で、それほど高いパフォーマンスではなかったものの、その後に驚きの成長を遂げて、ドラフト指名をされた選手の話を耳にした。夏の甲子園が盛り上がる裏で、密かに腕を磨いてさらなる成長を遂げる……そんな選手が今秋のドラフト会議で名前が呼ばれることを期待したい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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