マスクを外す人が増えて…いま改めて考える、新型コロナの新規感染者数・死亡者数を連日報道した意味

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 2020年1月16日、厚生労働省は「神奈川県在住の30代男性から新型コロナウイルスが検出された」と発表。これが日本国内で初めて明らかになった新型コロナの感染例だったわけだが、それから約3年間、新型コロナは感染症予防法の「2類相当」に分類されてきた。

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「2類相当」は5月8日から「5類感染症」に変更された。分類表を見ると、1類はエボラ出血熱やペスト、2類は結核やジフテリアといった、重篤な感染症がずらりと記載されている。一方の5類は、アメーバ赤痢や季節性インフルエンザが代表例だ。

 これまで新型コロナは2類相当だったため、入院勧告や就業制限の要請など、国や自治体は蔓延防止に強い指導力を発揮することができた。これに対し、5類は基本的に“自己責任”だ。

 2類相当から5類になって生じた変化の中に、“本日の新規感染者数・死亡者数”の発表が行われなくなったことがある。厚労省が調査を打ち切ったため、テレビなどのニュースでもそのコーナーが消えた。

「テレビで言及されなくなったことが、そんなに大きな意味を持つのか」と感じる人もいるだろう。だが、SNS上では、“本日の新規感染者数・死亡者数”の報道が消えたことで、マスクの着用率が下がったのではないかという投稿が増えているのだ。担当記者が言う。

「もちろん猛暑の影響でマスクの着用率が下がったとの指摘も多いのですが、『テレビが新規感染者数・死亡者数を報じなくなったから、マスクをしない人が増えた』という主旨のツイートもかなりの数に上ります。いわゆる“テレビ離れ”が進んでいるにもかかわらず、『テレビニュースにマスクを外させるほどの影響力があるとは思わなかった』と驚く声も目につきます」

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