34歳「丸佳浩」二軍降格の真相 打撃不振を予言していた巨人OBは「年齢の問題ではない」

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 巨人の外野手・丸佳浩(34)は、広島時代の2016年から昨年までの7年間、毎年20本以上のホームランを放ち続けた。屈指のスラッガーであることを示す何よりの記録だが、だからこそ今回の二軍落ちに、多くのファンが衝撃を受けたに違いない。

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 7月20日、丸は読売ジャイアンツ球場(神奈川県川崎市)で二軍の全体練習に合流した。スポーツ紙の電子版は速報に近い扱いで報じ、スポーツ報知は「全然チームの力になれていないので、なんとか次に上がれた時はチームのプラスになれるようにやっていくというか、練習するしかないです」というコメントを掲載した(註)。

 念のため、丸が現在、どれくらい打撃不振に陥っているかを見ておこう。昨シーズンまでの13年間の通算成績は、打率が2割8分0厘。本塁打が251、打点が826、出場試合数が1613。1シーズンの平均は、本塁打が19・3、打点が63・5、出場試合数が124・0となる。

 丸はよく出場し、よく打ってきたことが如実に分かる。ところが今シーズンは、7月24日時点で77試合に出場し、打率が2割3分5厘、本塁打が11、打点が25という内容だ。快音が皆無という大スランプではないが、やはり例年に比べ見劣りのする数字だ。担当記者が言う。

「丸選手が不振を理由に二軍に落とされたのは、広島時代の2012年、巨人時代の21年があります。まず、12年の丸選手は一軍に定着していたとはいえ、スタメンに選ばれないことも珍しくありませんでした。このシーズンは5月に最多盗塁賞を受賞するなどスタートダッシュに成功しましたが、オールスター前後で低迷。7月末には打率が2割1分2厘まで下がってしまい、8月4日に登録抹消されました。しかし二軍では6試合に出場し、10安打2ホームラン12打点と大活躍したのです」

フォームの欠陥

 結果、8月14日に当時の広島で4番を任されていた岩本貴裕氏(外野手・2019年に引退)が登録を抹消され、代わりに丸が一軍に戻された。

「21年のシーズンでは、丸選手は開幕直後に新型コロナ感染で離脱を余儀なくされました。4月下旬から復帰しましたが、打率は2割台、本塁打は4本とやはり低迷してしまいます。6月5日に登録抹消されたのですが、二軍では『本来の打撃を取り戻した』と判断され、18日に復帰しました。最終的に打率2割6分5厘、本塁打23本でシーズンを終えました」(同・記者)

 丸は今年4月で34歳になった。体のあちこちに“衰え”が来てもおかしくない年齢だが、今シーズンの打撃不振は何が原因か、巨人OBで野球評論家の広澤克実氏に訊いた。

「私は数年前から、いずれ丸くんが不振に陥ることを確信していました。原因は年齢による衰えではなく、打撃フォームがおかしくなっていたからです。私は以前、後進を指導する際、『バッティングフォームに個性はあってもいいが、今の丸選手のフォームだけは真似してはいけない』と言ったことがあります。具体的には、テイクバックが問題なのです」

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