巨人の前半戦を総括 中軸を任された秋広優人の台頭が意味すること【柴田勲のセブンアイズ】

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負けは負け

 巨人が球宴前のヤクルト3連戦に3連敗、12日の広島戦から5連敗を喫した。

 貯金が「3」あったが、一転して借金「2」、Bクラス4位での折り返しとなった。首位・阪神とは6.5ゲーム差だ。

 借金生活の時は早く5割に戻してほしい。そして貯金をしてほしい。こう言い続けてきた。少しでも貯金をしなければ上位進出は難しくなる。

 それが貯金どころか借金だ。

 17日、前半戦最後の試合となった神宮でのヤクルト戦は両軍計30安打の大乱打戦となった。結局、延長10回に武岡龍世のサヨナラ打で敗れた。

 惜しい試合だった。最後まで諦めずに食らいついた。こういう評価があるようだが、1回に勝負の行方は決まっていた。

 先発した菅野智之が1死しか奪えず、6安打6失点、わずか17球だった。エースと呼ばれる投手がヨーイ、ドンで6点も失えば、試合運びが苦しくなるのは確実で、結末は見えていた。

 6点差を追って追いつき、一時は勝ち越したが、最後に待っていたのは10対11の敗戦。惜しかろうが負けは負けだ。

巨人はミスが多い

 原辰徳監督が「重い点数となった」と振り返ったのも当然だろう。先頭からの3連打で先制されて村上宗隆には3ラン、内山壮真に2ランを許した。

 球威がなく、コースが甘い。ヤクルトの打者のベルト近辺に集まっていた。打者には実にいいコースでバットが振りやすい。あまりにも不用意な投球だった。

 巨人は菅野と戸郷翔征の二人を軸に試合を作ってきたが、戸郷も13日の広島戦(マツダ)で7回を1失点と好投しながら勝つことができなかった。

 この二人で勝てない。苦戦は必至だ。

 巨人には目に見えないミスが多い。例えば無死一、二塁でバントを決めて送れるか。相手は決めて巨人は送れない。

 四死球数が相手チームと同じ5個あるとする。相手のそれは2死から3個、1死から2個。巨人は無死から四球や死球を与えるケースが目につく。同じ5個でも違ってくる。

 これが試合を消化するたびにどんどん積み重なっていく。チャンスをモノにできず、相手にはスキを突かれて得点を許す。

 残念だがいまの巨人は弱い。

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