先生の採点は厳しすぎ? 漢字テストの「とめ、はね問題」 文科省に聞くと意外な見解が

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綺麗に正しく書くことは重要

 そこで、学校での指導を管轄する文部科学省の教育課程課に聞いた。

「国語のテストに関して言えば、例えば作文や読解問題の回答の場面で、一つ一つの漢字のとめやはね、はらいの表現を見て、回答全体を不正解にするのは柔軟性を欠いていると言える場合があると思います。しかし、漢字の学習状況を確認する漢字テストでは、細かな部分まで正しい書き方をする必要があります」(文部科学省教育課程課の担当者、以下同)

 漢字の正しい書き方の根拠となるのは、「学習指導要領」だという。

「学校での漢字学習は、学習指導要領に基づいています。指導要領の中に、漢字配当表というものがあり、それぞれの学年で学ぶ漢字が決められています。漢字の表記、とめやはね、はらいの表現に関しても、この配当表に書かれた字形を標準としており、手書きの見本として分かりやすく示した書体が使われています。一般に発売されている国語のテキストなどでも、配当表の字形をもとに作られています」

 国語の小学校学習指導要領解説には、国語教育における上述の指針の扱いについて以下のような考え方が示されている。

〈児童の書く文字を評価する場合には、こうした考え方(※指針の内容)を参考にして、正しい字体であることを前提とした上で、柔軟に評価することが望ましい。

 一方、漢字の学習と書写の学習とを考えたとき、文字を書く能力を学習や生活に役立てるために、文字を正しく整えて書くことができるよう、指導の場面や状況に応じて一定の字形を元に学習や評価が行われる場合もある。

 指導に当たっては,字体についての考え方を十分理解した上で,生涯にわたる漢字学習の基礎を培うとともに,将来の社会生活において漢字を円滑に運用できる能力を身に付けていくことができるよう配慮することが重要である。〉

「指導要領に書いてある通り、漢字や書写の学習では、だいたいの字形があっていれば良いというわけにはいかず、とめやはね、はらいの部分までしっかり指導する意義はあります。つまり、学校で日本語という言語を学ぶ過程においては、読めたらなんでもいいというわけではなく、字を綺麗に書いたり、正しく書くということは重要です」

 採点が厳しすぎるという声がしばしば上がっていることについては、

「『テストの採点が厳しすぎるのではないか』ということがSNSで度々話題になっているというのは知っていますが、個別の内容については分かりません。学校ではきちんと指導をしていると思います。意地悪をして、敢えて厳しくしてやろうという教師はいないと思います」とのことだった。

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