先生の採点は厳しすぎ? 漢字テストの「とめ、はね問題」 文科省に聞くと意外な見解が

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 SNS上では、学校の漢字テストについて、とめやはねの表現や少し線が飛び出しただけで“不正解”となったことへの疑問や不満を綴る投稿がしばしば見られる。投稿されたテストの画像を見れば、たしかに厳しすぎる気もするが……文部科学省の見解を聞いた。

厳しすぎて〈ヤル気を損なわせる〉

 わが子への学校の指導方法に疑問を持った時、果たしてそれが正しいのかどうか、TwitterなどSNS上で意見を募る投稿がよく見られる。

 特に漢字テストの採点に関するものは多く、〈これ、正解でいいだろ! 小学1年生だぞ! 子供のヤル気を損なわせるのはどんな意図があるの?〉〈いくら何でも厳しすぎる…〉などと、採点の厳しさに困惑する声があがっている。

 実際に投稿された不正解の例を見てみよう。

・「目」の横線が飛び出している
・「土」の縦線が下に飛び出している
・「力」の二画目がはらいではなくとめになっている

 どの回答も、一見して何の漢字か判別はつく。投稿を見た人からは、「これで不正解とするのは厳しすぎる」といった意見が大半を占める。

文化庁指針では、字の細部が違っていてもOK?

 そして、採点が厳しすぎる根拠として提示されることが多いのが、文化庁が2016年に出した「常用漢字表の字体・字形に関する指針」の中にある字形に関する下記のような記述だ。

〈手書き文字と印刷文字の表し方には、習慣の違いがあり、一方だけが正しいのではない〉

〈字の細部に違いがあっても、その漢字の骨組みが同じであれば、誤っているとはみなされない〉

〈字体は骨組みであるから、それが実際に印刷されたり、手で書かれたりする場合は、活字独特の装飾的デザインや、人それぞれの書き方の癖や筆勢などで肉付けされた形で表れる。したがって、ある一つの字体が印刷されたり書かれたりして具体的に出現する文字の形は一定ではなく、同じ文字として認識される範囲で、無数の形状を持ち得ると言える〉

 この指針に基づけば、漢字テストでも「だいたいの字形があっていれば正解」ということになる。だが、そう単純な話ではないらしい。

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