“気楽な一人住まい”でまさかの孤独死を防ぐには 特に高齢者が守るべきポイント4つ
自堕落な食生活を重ねると…孤独死を回避するには
熱中症の発生は多くが夏場だが、一人住まいの高齢者が病気について抱く心配ごとは一年中尽きない。70~80代になると「生活習慣病」(高血圧、糖尿病、肥満、心臓病、高尿酸血症など)が加速する反面、生活習慣をただす意識は衰えていく。
「今日の夕飯はラーメン一杯で」「酒を一人飲みしてごろ寝が最高」とった自堕落な食生活を重ねたらどうなるか。さらには一日中テレビと向き合っていると、散歩などの適度な運動が日常から消える。結果、筋肉や体力が衰えると、孤独死という最悪の展開を招く。
誰からも看取られないまま生命が尽きる孤独死について、公的機関による正確なデータはない。一般社団法人日本少額短期保険協会が2022年11月に公表したデータによると、2015年4月~2022年3月までの孤独死は6727人。そのうちの約66.8%が病死である。
中原医師は、高齢者の病気や孤独死回避のポイントとして4つを挙げる。
【一人住まいの高齢者が気を付けたいポイント4つ】
1:定期的な健康診断
「面倒だからと言わず、病院で定期的に健康診断を受診する。もしも「血圧」が高いと診断されたら医師に従い、処方された薬を飲むなど生活改善を図りましょう」
2:便利なシステム機器を積極的に活用
「家庭環境の整備や安全対策の一環として、便利なシステム機器を積極的に導入しましょう。各自治体で急速に浸透しているのは、ボタン1つで福祉関係者が高齢者の自宅に駆けつける制度です。身体の異変などを察知したら、迷うことなくボタンを押して助けを求めてください」
3:隣近所や仲間と普段から交流する
「一人住まいの場合、たとえ体調が崩れても近くで心配してくれる人がいません。『顔色が悪い』『酒の飲み過ぎだ』『足がふらついている』といった声をかけてくれる“診察者”がいない状況ですから、近所付き合いは大切にすべきです。または、気軽にいつでも電話で会話が出来る趣味の仲間、笑い合いながら雑談できる人を持ちましょう」
4:太陽の光を浴びながら散歩する
「一人住まいの高齢者は、家に閉じこもりがちになるものです。日々、太陽の光を浴びて軽く散歩をすることが、長寿と健康維持に結び付きます」