保守王国「福岡」で相次ぐ“自民分裂”騒動 背景に「麻生太郎」副総裁の“終活”問題

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 通常国会が無事閉会し、“岸田総理が打って出るのでは”と取り沙汰された解散総選挙も結局は行われず、弛緩した空気が永田町を覆っている。とはいえ、それも束の間に過ぎないことは言うまでもない。単に先延ばしされただけで、選挙は確実に行われるからだ。それに備えて各政党は、各選挙区において候補者の最終調整を進めている。そんな中、複数の選挙区で調整がうまくいかず、自民党の分裂選挙が相次ぐのではないかと注目を集めている県がある――。

党員投票で

 政治部デスクが言う。

「自民党内でも不安視されているのは福岡県です。県内に小選挙区は全部で11あるのですが、そのうち、まず2つの選挙区で分裂の可能性が取り沙汰されていました。それが、北九州市にある第9区と第10区です。この2 つの選挙区には、自民党の候補者がおらず、2021年の選挙以降、空白区になっていたのです」

 そんな最中、今年2月に、北九州市長選挙が行われたのだが、

「この選挙が保守分裂となり、さらに自民党が推薦する候補が負けるという番狂わせが起きた。そして、党の方針に反し、勝った側についた自民党系の地方議員たちが力を持ち、その勢いのまま国政に打って出ようと、9区、10区で相次いで手を挙げたのです」

 自民党本部からすれば、党則を破った人間をそのまま候補者として認めるわけにはいかない。他の候補者に示しがつかなくなるからだ。

「というわけで、党側も候補者を擁立し、どちらにするか党員投票で決めるという方向で動いていますが、現北九州市長を応援した側は一歩も引かず、“仮に自民党から出られなければ、無所属から出馬する”と豪語。9区、10区とも現在は、立憲民主党の議員が議席を有しており、強敵である彼らを相手に戦わねばならないにもかかわらず、保守同士で分裂し争っていては勝負にもならない。選挙が一旦遠のいたので猶予は生まれましたが、この分裂騒動の決着はまだ見えていません」

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