没後30年「アンドレ・ザ・ジャイアント」伝説を検証 サッポロビール園で大ジョッキ78杯を飲み干したのは本当か?

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歯は42本、靴のサイズは40センチ…

 往年の人気番組「クイズダービー」(TBS。1976~1992年)の三択問題に、以下が出題されたことがあった。

「プロレスラー、アンドレ・ザ・ジャイアントのエピソードとして、正しいものは?」

 正解は、「指が太過ぎるため、ボールペンで電話機のダイヤルを回している」。

 電話機のダイヤルに時代を感じる一方で、そのインパクトある存在感は決して色あせぬ大巨人、アンドレ・ザ・ジャイアント(1946~1993年)。今年は没後30周年ということで、各々の伝説を紐解いてみたい。

 なにせ、「世界8番目の不思議」と称された身長223cm、体重230kgの巨漢。実況アナウンサー、古舘伊知郎氏による、数々のキャッチフレーズを思い出される方も多いのではないだろうか。

「人間山脈!」

「現代のガリバー旅行記!」

「1人民族大移動!」

「1人と言うには大きすぎ、2人と言うには人口の辻褄が合わない!」

 実際、明確な言質がとれている秘話だけでもケタ外れである。和式のトイレでは前方にヒザが当たりしゃがめず、さりとて、洋式のそれでは彼自身の重さで便座が割れて壊れることもあった。「幼児用のオマルに大人が座っている姿を想像してもらえば」(ミスター高橋著『悪役レスラーのやさしい素顔』より)。

 因みに、「立ち小便が乗用車を超える高さだった」なる噂もあるが……。

「それはわからないけど、確かに小便は長かった。5分以上、してたんやないかな?」

 以前に証言してくれたのは親友のプロレスラー、マイティ井上さんである。冒頭のクイズの正解が事実であることは、このマイティさんも裏付けていたが、他にもプッシュフォンは一指で4つのボタンを押してしまい、同じくピアノを弾けば鍵盤を3つ押さえてしまったとか。

 それまで吠えていた犬が、アンドレを見ると急に黙ってしまったという逸話も知られるところで、アンドレ自身もこのネタには馴れているのか、「(番犬で有名な)シェパードとドーベルマンだったこともあった」と数多くのインタビューで答えている。

 極めつけは歯の数。通常の成人男性の28本(親知らず除く)に比べ、アンドレのそれは42本。なお、靴のサイズは約40㎝で、こちらは京都にある個人ギャラリー「プロレス美術館」(開館は不定期)に現物も鎮座している。

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