【らんまん】東京編に入って視聴率上昇中 万太郎にとっての竹雄はドラえもんか

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万太郎、竹雄、綾が自由を得るまでの物語でもある

 この朝ドラは、身分差というものに縛られた竹雄、女性であるゆえに酒造りを禁じられた綾、学歴差別の壁に悩まされる万太郎が、それぞれ自由を得るまでの物語でもある。

 竹雄は綾に「好きじゃ」(第25話)と告白しながら、その後も「綾様」としか呼べない。距離が縮まない。背景には身分差がある。しかし、じきに結ばれる日が来るだろう。万太郎が2人の結婚に反対をするはずがない。タキも子供の頃から知る竹雄なら許すのではないか。

 酒造りがやりたいと願いながら、「おなごが蔵に入ったらいかんですき!」(第4話)ときつく叱られ、酒を造れない綾も、制約から解放されるに違いない。第4話はその伏線だろう。

 万太郎は植物学者として成功する。モデルである牧野富太郎博士のように。そして東京帝国大学で講師になり、学歴差別から自由になるはずだ。

 物語は3分の1まで終わった。見せ場はこれからだ。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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