次のフジ月9は森七菜&間宮祥太朗「真夏のシンデレラ」 7年ぶりに王道“恋愛ドラマ”はなぜ復活したのか

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「お仕事ドラマ」が主流に

 7年前の「好きな人がいること」は、桐谷演じるパティシエの主人公がイケメンたちと繰り広げる恋愛模様が描かれたが、全10話の平均世帯視聴率は8.9%(以下ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、当時としては物足りない数字だった。

 というのも当時、15年1月期の「デート~恋とはどんなものかしら~」(杏主演、全話平均12.5%=以下同)、同7月期の「恋仲」(福士蒼汰主演、10.8%)、同10月期の「5→9~私に恋したお坊さん~」(石原さとみ、山下智久主演、11.7%)、16年4月期の「ラヴソング」(福山雅治主演、8.5%)など、月9はラブストーリーがズラリ。しかし、徐々に視聴者に飽きられ始めていた。

 そこで以降は、17年7月期の人気ドラマシリーズの最新作「コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-The Third Season」(山下智久主演、14.8%)、18年4月期の「コンフィデンスマンJP」(長澤まさみ主演、8.9%)、19年4月期の「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」(窪田正孝主演、12.1%)、同7月期の「監察医 朝顔」(上野樹里主演、12.6%)、21年4月期の「イチケイノカラス」(竹野内豊主演、12.6%)、21年6月期(コロナの影響で7月ではなく6月スタート)の「ナイトドクター」(波瑠主演、11.1%)など、脱恋愛でなおかつ“お仕事ドラマ”が並んだ。

「『コード・ブルー』は一般の医師ではなく、緊急救命医を描きました。他には監察医、弁護士といった専門性の高い職種。さらに『コンフィデンスマン』では詐欺師と、視聴者があまり知らない仕事をリアルで細かい描写で描き、高視聴率をとるドラマを連発しました。『コード・ブルー』の劇場映画版は18年に公開されましたが、興行収入93億円の大ヒットになりました」(フジテレビ関係者)

 後に山下はジャニーズを退所したこともあり、「コード・ブルー」の続編製作はかなわなかったが、同作で味をしめ、「お仕事ドラマ」で、なおかつ続編・映画化を視野に制作する体制へと傾いていくことに。

「さらに、なるべく月9初主演の役者を起用するようになったんです。その体制で、恋愛ドラマを作ろうと思っても、なかなか映画化まで持って行けない。やがて企画すら上がらないようになりました。『コンフィデンスマン』は映画化した3本がいずれも当たり、『ラジエーション』、『朝顔』はシリーズ化されています。制作サイドの狙いが見事に当たったということになりますね」(同)

「ラジエーション」は昨年4月、「イチケイ」は今年1月に劇場版が公開され、昨年1月期の人気コミックを実写化した「ミステリと言う勿れ」(菅田将暉主演、11.8%)は今年9月15日に劇場版が公開予定となっている。

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