次のフジ月9は森七菜&間宮祥太朗「真夏のシンデレラ」 7年ぶりに王道“恋愛ドラマ”はなぜ復活したのか

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 一見すると、フジのドラマ制作陣には“追い風”が吹いていたのだが、状況が一変してしまい、体制を見直さざるを得なくなってしまったのだ。

「昨年4月期の綾瀬はるか主演の『元彼の遺言状』から民放の無料配信サービスTVerでのリアルタイム配信がスタートしました。フジ以外の局もそうですが、当たり前のようにテレビ放送の平均視聴率はダウンし、もはや2ケタを獲得することはなかなか難しくなってしまいました。これまで月9で数々のヒットドラマに主演してきた、木村拓哉主演で放送中の『風間公親-教場0-』ですら、第3話以降は1ケタに。そこで、ここに来てフジは世帯視聴率ではなく、コア視聴率(13歳から49歳)と、TVerの登録者数と再生回数に重点を置くことに方針を切り替えたんです」(前出・記者)

「月9」ではないが、フジのドラマでは「TVerアワード2022年ドラマ大賞」を受賞し、TVerの歴代再生数1位を更新した、川口春奈主演のラブストーリー「silent」(放送日は木曜日)の成果も影響したのだろう。ファンによるロケ地巡礼など、社会現象になるほどのヒット作となった。

「このヒットも念頭に、さらには若年層をターゲットに定め、王道のラブストーリーを復活させることになったのです。また、『ラジエーションハウス』と『イチケイ』の劇場版が思ったほどヒットしなかったこともあり、月9ドラマの映画化に慎重になり始めた、という社内の雰囲気も恋愛ドラマ復活を後押ししました」(先の記者)

 歴代の夏の海を舞台にした月9ドラマでは、1997年7月期の「ビーチボーイズ」(反町隆史、竹野内豊主演、23.7%)がヒットした“成功体験”がある。今回公開された「真夏のシンデレラ」のビジュアルは何やら「ビーチボーイズ」を彷彿とさせるものになっている。

 音楽界では、ダンス&ボーカルグループ・DA PUMPの「U.S.A.」は1960年代から1970年代のアメリカに憧れる少年をイメージするという、時代の逆をいった楽曲だったにもかかわらず、「一周回ったダサさ」がウケ、ヒット曲になった例もある。

「真夏のシンデレラ」もレトロ感を出しまくればヒットにつながるかもしれない。王道の月9恋愛ドラマ、復活なるか。

デイリー新潮編集部

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