ドラマ「ラストマン」は突っ込みどころだらけ? 「全盲のハンディが感じられない」

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“さすが福山”といったところか。4月下旬、鳴り物入りで始まった主演ドラマ「ラストマン」が同クールで視聴率トップと滑り出し好調である。見所満載だが、辛口評論家からは、突っ込みどころも……。

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 まずは、

「楽しんで見ていますよ」

 とは、メディア文化評論家・碓井広義氏の弁である。

「とりわけ、大泉洋さんとのバディが決まっている。あの通り“ザ・福山”の福山さんに対し、大泉さんは日本を代表するかわいがられキャラですよね。その凸凹コンビが緊張感のあるバディとして成立しています」

 ご覧ではない向きのために説明すると、「ラストマン」は日曜21時、TBS系で放送中の連続ドラマ。

 福山雅治(54)演じるFBI捜査官は幼少期に事故で視力を失ったという設定だ。その男が人材交流で警察庁へ出向し、大泉演じる敏腕刑事と難事件を解決していく。人たらしの福山と、悪への怒りに燃える大泉との掛け合いで、平均世帯視聴率2桁をスタート以来キープしている。

ご都合主義とステレオタイプな登場人物

 4年振りと久々の連ドラ出演となった福山。ここまで同クールのキムタク主演ドラマに圧勝していることもあり、胸をなで下ろしているだろう。

 ところが――。

「確かにキャラは立っていますよ。でも、他の要素が安直なのが気になります」

 と評するのは、コラムニストの今井舞氏である。

「例えば、福山が銃撃される場面では、弾が当たらないのを前提に犯人の目の前まで歩いてきたり、住宅街なのに、音を聞いて誰ひとり外に出て来ない」

 何より、

「捜査過程がざっくりし過ぎなんです。“靴の大きさから彼が犯人だと確信しました”って胸を張られても。福山のキャラクターづくりには心血が注がれ『古畑任三郎』的な狙いが見えますが。“実はあの時、盗聴器を仕掛けていました”で解決するご都合主義や、ステレオタイプな他の登場人物の言動には鼻白みます」

 前出・碓井氏も言う。

「一方で、全盲という設定は、多様性重視の昨今の影響を受けているのは明らかですが、見ていると正直、福山さんに全盲であることのハンディが感じられないんです」

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