メジャーに挑戦した多くの日本人野手が苦労したのに…レッドソックス「吉田正尚」の大活躍を裏付ける“あるデータ”とは

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守備は不評!?

 一方、ボストンの地元メディアなどは、守備の成績に苦言を呈することが多い。

「MLBにはDRS(Defensive Runs Saved=守備防御点)という記録があります。全試合をビデオ解析し、野手の守備でどれだけ失点が防げたかを数値化します。0が平均的な野手を意味し、プラスになるほど守備が上手い野手になります。吉田は5月24日現在、マイナス3で、これは『中の下』を意味します。しかし、これは吉田の実際の守備力が反映されていない可能性があるのです」(同・友成氏)

 吉田が所属するレッドソックスの本拠地フェンウェイ・パークは、世界トップクラスの変形スタジアムであることに注意が必要だという。

「吉田はレフトが定位置ですので、高さ約11メートルの“グリーンモンスター”の前で守ります。ホームラン性の打球でも壁に当たって跳ね返ってくるので、クッションボールの処理が上手だと打者を二塁で刺すことができるのです。ところが、吉田はグリーンモンスターに慣れていないため、なかなか二塁でアウトにできません。そこでDRSが下がってしまったのでしょう。経験を積めば問題はなくなるはずで、来季のDRSは全く違う数字になってもおかしくありません」(同・友成氏)

対速球の打率が示す意味

 吉田がMLBにフィットしている最大の理由は、速球を得意にしていることだという。

「MLBの速球は、日本プロ野球の速球より平均して5キロ早いと言われています。日本人メジャーリーガーも慣れるまでは苦労することが多く、特に高めの速球にバッドを振ってしまう選手が目立ちます。吉田は選球眼が抜群ですから、高めの釣り球には手を出しません。そしてストライクゾーンに速球が来たら、ヒットにしてしまうのです。MLBには対速球の打率も記録があり、日本人だと2割3分台でも珍しくありませんが、現在の吉田は3割4分7厘です。彼が今後もメジャーで活躍することを保証する数字だと言えるでしょう」(同・友成氏)

デイリー新潮編集部

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