兄弟子による現役力士への暴力事件、部屋側が“口封じ”か「おかみさんが自分の母に電話していた」

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逸ノ城本人がうわさを…

 湊親方は逸ノ城への説得を続けていたが、そうした中、妙なうわさが角界に流れ始めた。“湊親方が逸ノ城から預かったお金を使い込んでいる”――そんなうわさだ。

「もちろんこれは事実無根で、親方は22年11月には逸ノ城から預かったお金を全額耳をそろえて返しています」(同)

 にもかかわらず、かようなうわさが流布されたのはなぜなのか。

「実は、あのうわさは逸ノ城本人が方々に流していたようなのです。うわさが聞こえてきたのは22年4月ごろで、この時はまだ親方は逸ノ城からお金を預かったままでした。逸ノ城が親方株について“いりません”と言ったのはこの2カ月前。そう言ったにもかかわらずお金が戻ってこなかったために誤解して、親方がお金を使い込んだ、という話を周囲にしたのかもしれません」(湊部屋後援会関係者)

 この時点ですでに親方は弁護士を通じてしか逸ノ城と話ができなくなっており、誤解を解くのは簡単なことではなかった。

「逸ノ城は22年2月に親方から言われた“友達と遊びすぎるな”“一からやり直せ”といった言葉に納得できなかったようです。そのため親方株は“いらない”と言ってしまったものの、自分から親方株取得を諦めたわけではない、という思いがあったらしい」(同)

逸ノ城本人に聞くと…

 いずれにせよ、こじれにこじれた師弟関係が改善されないまま、先日の引退会見に至ったのである。

 とある日、湊部屋からほど近い自宅マンションに帰ってきた逸ノ城に“引退理由は腰痛以外にもあったのでは”と問うと、

「そうですね……」

――「音羽山株」の取得を目指していたが、それができなくなってしまった?

「今はちょっとすいません」

――親方株取得のために親方にお金を預けていた?

「……」

 最後は質問に答えることなくマンションに入って行った逸ノ城。

 実は、彼が取得を目指していた音羽山株を現在、狙っているとされるのが、自らの足元で起こった暴行事件に揺れる陸奥親方で、

「何もしなければ彼は来年、65歳で定年になってしまう。しかし音羽山株を取得できれば“再雇用”の形で部屋付き親方としてあと5年間は相撲界に残れます。今持っている陸奥株は、部屋付き親方の元横綱鶴竜に譲る。そうして鶴竜に陸奥部屋を継承させる計画のようです」(先の角界関係者)

 先述したネットフリックスのドラマでは親方衆の人間模様は描かれるものの、親方株には触れていない。もし続編の計画があるのなら、残されたその「聖域」に斬り込んでみてはどうか。

週刊新潮 2023年5月25日号掲載

特集「暴力隠蔽『元大関霧島』と『逸ノ城引退』を裏で結ぶ『親方株』」より

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