原巨人が「山川問題」の示談成立にナーバスなワケ 坂本の醜聞“再燃”で昨季の二の舞は「不可避」の声

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坂本と山川の不公平感が明白に?

 シーズン中に示談成立となれば、山川の戦列復帰への道は開かれる。しかし、その前にケジメとして記者会見が義務づけられることになるとの大方の見方である。

「ここまで騒がせて、何事もなかったかのように1軍でプレーすることは考えられない。示談成立後も球団は一定期間、2軍で調整させた後、1軍昇格前に本人の口から説明する場を設けることをシミュレーションしているようだ」(遊軍記者)

 そして、さる巨人関係者が坂本への飛び火を警戒しているのは、このタイミングだ。

「(醜聞は)示談成立前の発覚か、成立後の発覚かという違いはあるものの、山川が針のむしろで会見すれば、坂本が何もしない今の状態のままで許されるかどうか。道義的責任や説明責任を果たした山川に対し、(世論が)不公平だとなりはしないか」

 坂本は打率1割と不振にあえいだ4月から一転、5月は2割9分8厘(22日現在)と復調気味だ。しかし再び、批判の矛先が自身に向くようなことになれば、昨季終盤のような不振に逆戻りしかねない危険性をはらむ。

「坂本は去年、あれ(醜聞発覚)から明らかに調子を落とした。これまでも女性遊びを書き立てられてはきたが、そのたびに活躍し、反発の声を封じてきた。ただ、音声まで公開された去年のことはさすがにショックだったようで、同僚からも腫れ物扱いされていた。今年、チームの順位争いの大事な時期に、またそういうことにならなければいいのだが……」(元NPB球団監督)

チームは上げ潮ムードも、坂本に“爆弾”

 グラウンド外の雑音がチーム成績に悪影響を及ぼした例は、球史で枚挙にいとまがない。監督の去就問題などはその最たるもの。巨人では一昨年、原辰徳監督が日本ハムで暴力問題を起こした中田翔を無償トレードで獲得した際、古巣での謝罪会見などケジメがなかったことでファン、さらに自軍の選手にさえ反発を買って中田加入を境に優勝争いから脱落したことがあった。

 ここに来て巨人は野手で秋広優人や門脇誠、育成選手出身で初登板、初先発で初勝利を挙げた松井颯と、これまで活躍が物足りなかった将来を担う若手に明るい話題が相次ぐ。中田の故障からの復帰も間近で、首位戦線に乗り込む機運は高まりつつある。

 ところが、この上げ潮ムードに水を差しかねない「坂本問題」という爆弾を抱えている。

「仮に山川が逮捕から解雇となれば、坂本とは次元が違う話となり、2人は関連づけられなくなるかもしれない。坂本や巨人にとっては山川の問題が示談で収まることの方が、問題を蒸し返される可能性が高く、頭が痛いのかもしれない」(前出の遊軍記者)

 巨人がグラウンド外との“敵”とも闘わないといけないようでは、覇権奪回はおぼつかない。

デイリー新潮編集部

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