大谷翔平を絶望させるエ軍「捕手5人」 データも証明…専門家はパ軍「ダルビッシュ」との違いを指摘

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不思議な巡り合わせ

 5月12日現在、ピッチャー大谷が“端緒”となったパスボールは8球。2位が5球なので断トツの1位だ。

「大谷の変化球は名キャッチャーでも捕球に苦労します。ところが今のエンゼルスは技量に問題のあるキャッチャーばかりですから、大谷の変化球を後ろに逸らすことが多い。結局、今後の大谷はキャッチャーのパスボールを恐れながら投げることになります。ランナーが出ると、相当に神経を使うでしょう。ピッチャー大谷にとって今シーズン最大の懸案事項になりつつあります」(同・友成氏)

 ピッチャーにとってキャッチャーの力量がどれほど重要かは言うまでもないが、先日その問題を巡って非常に興味深いことが起きたという。

「アストロズのマーティン・マルドナード(36)は名キャッチャーとして知られ、2017年にはゴールデングラブ賞にも輝きました。彼は16年からエンゼルスに在籍し、18年にはメジャー1年目の大谷の球を受け、年間4勝の勝ち星に貢献しました。彼は打撃が弱点ですが、アストロズは守備とリード、ピッチャーとの信頼関係を理由に高く評価しています」(同・友成氏)

 5月10日に大谷が初黒星を喫したのはアストロズ戦だった。そして、敵チームでマスクを被っていたのはマルドナードだった。

「打撃成績は良くないマルドナードが大谷から2ランホームランを放ち、これが決勝点になりました。メジャーに初挑戦した際、大谷をサポートした選手が敵チームの名キャッチャーとして活躍を続ける一方、大谷の女房役は昨シーズンまでメジャー通算7試合の出場経験しかなかったわけです。まさに不思議な巡り合わせでした」(同・友成氏)

パーソナルキャッチャー

 エンゼルスは裕福な球団ではないが、かといって貧乏でもない。外野手のマイク・トラウト(31)とは12年総額479億円の大型契約を結んでいるのは日本でも有名だ。

 メジャーリーグは7月末までトレードが可能だ。何とかして新しいキャッチャーを迎え入れることはできないのだろうか。

「シーズン中にキャッチャーをトレードで獲得するのは至難の業です。アメリカでもキャッチャーは守備の要であり、監督の役割を担うことも珍しくありません。優れたキャッチャーは大切にされますし、近年のメジャーでは“パーソナルキャッチャー”という考え方が一般的になってきました。ダルビッシュ有(36)がパドレスに移籍した際、女房役のビクター・カラティーニ(29)も一緒に移籍しました。ピッチャーとキャッチャーはセットというわけです」(同・友成氏)

 より大きな問題として、そもそもシーズン途中にキャッチャーを獲得してもあまり意味がないという。

「スプリングキャンプからピッチャーとキャッチャーが入念な意思疎通をするからこそ、シーズンを通して戦えるのです。今シーズンの大谷は自分でサインを出していますが、これはWBCで充分な練習ができなかったことも影響を与えています。優れたキャッチャーと大谷がキャンプで入念な意思疎通を行い、キャッチャーが大谷をリードするのがあるべき姿なのです。WBCの悪影響に数えていいでしょう。いずれにせよ、どんな名キャッチャーがトレードでエンゼルスに来ても、シーズン途中では急造のバッテリーにしかなりません。ピッチャー大谷の真価が発揮できない状況に変わりはないわけです」(同・友成氏)

 どうやら大谷が心の底から安心してボールを投げられるようになるには、来シーズンを待たなければならないようだ。

デイリー新潮編集部

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