ワクチンを日本で処分したいファイザー、コロナバブルを続けたい日本医師会… 「5類移行」への不満を隠さない人々

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執拗に注射を呼びかけるファイザー社

 テレビといえば目下、ワクチンメーカーのファイザー社が潤沢な資金に物を言わせて喧(かまびす)しい。4月から放映されている新CMでは、「祝!新生活 ココロが動きはじめたら(中略)接種について考えてみませんか?」と、執拗に注射を呼びかけているのだが、折しもWHOは3月28日、高齢者や基礎疾患を持つ人などに半年または1年ごとの定期的な接種を推奨。あわせて60歳未満の健康な成人や子どもについては追加接種を1回までとし、それ以上は勧めないとの指針を公表したばかりである。

 先の川口医師は、

「5類移行後も、ワクチン接種は引き続き無料で行われます。政府は現在ワクチンを抱え込んでおり、ファイザー社ともども、その在庫を一気に処分したいと考えているはずです。またファイザーにも、“接種が有料となっても当社のワクチンを使ってほしい”といった狙いがあると思われます」

 とはいえ、あたかも全国民が対象であるかのような広告を流し続けるとは、“やり過ぎ”の感が否めない。

検証されない「専門家」

 けだし5類移行は朗報であろう。が、これまでご紹介してきた「妙な面々」への反発から無防備へと転じるのは決して得策ではない。

 医師でもある東京大学大学院法学政治学研究科の米村滋人教授は、こう指摘するのだ。

「国内での感染対策の検証は、現在まで全くなされていません。昨年5月から6月にかけ開催された『新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議』は、短い期間で医療体制の確保や保健所、リスクコミュニケーションなどの検証を求められ、政府に報告がなされています。そこでは有益な考察がいくつかありましたが、残念ながら感染対策を提言してきた医療専門家の問題点については、ほとんど触れられずじまいだったのです」

 この場合、“頑張っている専門家を批判するな”といった意見は、常につきまとうものだが、

「彼らは、自分のために頑張って結果が出なければ自己責任となるスポーツ選手ではないので、頑張っているかどうかは関係ありません。最終的に国民が利益を受ければよいわけですが、現実はそうなっていないのだから批判されてしかるべきです。結局、誰も反省しないまま今に至っているのが日本の感染対策の現状なのです」(同)

“終わりよければすべてよし”では済まされないのだ。

週刊新潮 2023年5月18日号掲載

特集「『コロナ5類』にご不満の妙な面々」より

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