NHK「ニュースウオッチ9」レポーターに奈良支局「女性記者」が大抜擢で波紋 上層部の狙いとザワつく人たちの心境

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報道局との対立

 NHKの報道局関係者は「5月になって突然、上層部から『及川さんを6月からレポーターとして使う』という指示が『ウオッチ9』の現場に降りてきたのです」と明かす。

「もともと『ウオッチ9』のレポーターは、代々アナウンサーが担当してきました。しかもベテランではなく若手が起用されることが多く、人気アナへの登竜門という位置づけなのです。歴代のレポーターを見れば一目瞭然で、フリーに転身した堀潤さん、高井正智アナ、三條雅幸アナ、井上裕貴アナ、今井翔馬アナ、上原光紀アナ、星麻琴アナ……と、なかなかの顔ぶれです」

 若手アナがニュースの現場に乗りこんでくる格好になるため、政治部や社会部から「俺たちのシマを荒らしやがって」という声が上がることも珍しくなかったという。

「ところがコロナ禍もあって、『ウオッチ9』はお手軽な街ネタを増やしたり、大きなニュースでも街頭インタビューを集めるだけで済ませたりと、レポーターの仕事も大人しめになっています。一方、ライバルの『報道ステーション』(テレビ朝日・平日・21:54)は今でもアナウンサーが現場に飛び込んでおり、『ウオッチ9』のほうが見劣りするのは明らかです。NHK上層部は番組テコ入れのため、取材ができる及川さんの抜擢を決断したようです」(同・報道局関係者)

憤りの声

 及川記者の抜擢には理由がある。取材力や記事をまとめる力など、記者としての評価は極めて高いという。

「金沢放送局から札幌放送局を経て、2014年に東京に異動となりました。競争の激しいNHKの記者は、首都圏の放送局に配属されるだけでも大変です。しかも及川記者は、『ニュース7』(総合・毎日・19:00)でニュース制作の経験を積んでから政治部に異動になったという珍しい経歴の持ち主です。政治記者として対象を深く取材した経験も豊富なら、映像中心のニュースやキャンペーン的な“続きもの”の立案もお手の物という、NHKでも珍しい“二刀流”の記者なのです」(同・報道局関係者)

 とはいえ「ウオッチ9」のスタッフやアナウンス室は、この大抜擢を「はいそうですか」と受け入れてはいないという。

「視聴率で苦戦する『ウオッチ9』は確かにテコ入れが必要なのかもしれませんが、及川記者の起用についてはスタッフ側への事前の根回しが一切ありませんでした。上層部が番組にダメ出しを行い、勝手にリニューアルを押し付けてきたと受け取ったスタッフもいます。『優秀な記者だとしても、かなり無理筋な人事』という声も聞かれるのです」(同・報道局関係者)

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