大塚久美子氏がメルコホールディングスの社外取締役へ 起用の理由を担当者に聞くと、意外な回答が

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 パソコン周辺機器メーカーのバッファローやシー・エフ・デー販売の親会社として知られる(株)メルコホールディングスの取締役候補が注目されている。6月26日開催予定の株主総会の承認を得て決定される社外取締役に、著名な女性経営者の名が入っていたからだ。彼女の名は大塚久美子(55)、あの大塚家具の元社長である。

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 取締役候補が発表されたのは4月13日のこと。牧寛之社長(42)はじめ取締役の多くは現職のままだが、社外取締役の2名が新たに選任される。1人はビックカメラ元社長の宮嶋宏幸氏(63)、もう1人が大塚氏だった。

 これにはネット上でも疑問の声が溢れた。

《宮嶋宏幸氏はともかく大塚久美子氏によく声をかける気になったな。》

《社外取締役は、会社経営に失敗した人の「再チャレンジ」の場では無いと思うが、何故、大塚氏を選んだのか、全くもって意味不明だ。女性の企業経営経験者なら誰でもいいという事か(苦笑)?》

《大塚久美子氏を選んだ理由を是非知りたい。少なくとも、大塚家具時代に様々な情報が出ていて、それらを聞く限り適性が有るとは思えないんだが。》

 デイリー新潮は、彼女について何度も報じてきた。ご存知でない方に簡単に説明すると、大塚久美子氏は大塚家具の2代目社長だった(正確には4代目も)。創業者で父の大塚勝久氏(80)と派手な親子喧嘩の末、経営権を奪取したものの、経営は悪化の一途を辿り、2019年にヤマダ電機(現・ヤマダホールディングス)の傘下に入った。その後、彼女はすべての役職を辞任し、大塚家具はヤマダに吸収されて法人格を失った。

 父が一代で築き上げた大塚家具を、事実上、潰してしまった彼女を社外取締役にしようというのだから、疑問を抱くのは当然だろう。早速、メルコホールディングスの担当者に聞いてみた。

トップが選んだ

――なぜ大塚久美子氏を社外取締役として選んだのですか?

メルコ:詳細については6月の株主総会で明かされる予定です。あくまでトップが選んだ方なのでわかりかねるところがはあるのですが……。弊社もオーナー企業ですが、オーナー企業の経営経験のある方なら、貴重な御意見をいただけると考えたのだと思います。

――確かに久美子氏は経営者としての経験はあるものの、会社を倒産寸前まで追い込んだ。そういう方の意見が重要でしょうか?

メルコ:うーん、ジェンダーというのも選任の理由かもしれません。これまでメルコホールディングス本体としては、女性の取締役がいなかったんですね。上場企業でも女性の活躍が重視される中、弊社も女性の取締役を立てようとしたのかもしれません。

――女性経営者なら他にいくらでも適任社者がいたのではないでしょうか?

メルコ:それが難しいんです。社外取締役はいつも苦労しているんですが、なかなか引き受けてくれる方がいらっしゃらなくて。

――久美子氏は快諾されたのでしょうか?

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