沖縄・陸自ヘリ事故 機体引き揚げで囁かれる「極めて悩ましい」事故原因

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搭乗10人のうち幹部8人について

 沖縄・宮古島周辺で発生した陸上自衛隊のヘリコプター事故。5月6日で発生から1カ月が経過した。陸自は海底から機体を引き揚げ、フライトレコーダーを回収。機体は熊本県の高遊原分屯地に運ばれ、検証がスタートする。現在、囁かれている事故原因についてお伝えする。

 陸自ヘリ「UH-60JA」には、第8師団(熊本市)の坂本雄一師団長(55)を含め、幹部8人が同乗していた。搭乗10人のうち幹部の占める割合が極めて多いとの指摘もあったが、どうなのだろうか?

「今回の狙いは『航空偵察』。着任して間もない坂本師団長が、緊張感の高まっている現地を視察しようとしたのは責任感の表れに他ならないと見られます。そこに他の幹部が同乗するのも一体感や効率を考えると不自然ではないとのこと。分乗する方法もあったと言えばあったのでしょうが、ケースバイケースかなと思われます」

 と取材する記者。

信号発信がなかった理由

 ヘリは離陸10分後にレーダーから消失し、そこから北東およそ3キロ離れた海中で発見された。

「機体は発見時、激しく損傷していましたが、発見前からは海面に激しく叩きつけられた可能性が指摘されていました。制御不能となって傾いたまま落下したのではないかと見られています」(同)

 ヘリは安全性の観点から通常、高度150メートル以上で飛行するよう法令で定められている。実際にその高度で飛行しながらトラブルが発生した可能性、あるいは、レーダーに映らない低高度を飛んだ可能性が噂されている。

 この飛行中のミステリーの1つは、救難信号が発せられなかったことだ。救難信号には2種類あり、着水を察知した際に自動発信する場合とコクピットから手動発信する場合とがあるという。

「自動発信の方は何らかの機械的なショックで作動しなかった可能性がないわけではないですが、手動発信についてはコクピット上部のスイッチをひねれば良いだけ。よほどの緊急事態が発生したということでなければ、信号発信がなかった理由を説明できないとのことでした」(同)

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