中田不在で貧打の「原巨人」が筒香獲りも絶望的なウラ事情 「バウアー争奪戦」に続き、DeNAに“完敗”の必然

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筒香「NPB復帰」ならDeNAが既定路線

 巨人は昨季から米マイナーでプレーする筒香嘉智の動向を調査してきた。現在、主に一塁を守っていることを考えても、中田の代役にはうってつけと言える。

 筒香は今春のキャンプはレンジャーズのメジャーキャンプに招待選手として参加した。だが、ビザ取得が遅れた影響で調整が遅れ、オープン戦では好成績を残せなかった。開幕メジャーは叶わず、傘下の3Aラウンドロックに所属。長距離移動など過酷な環境下で奮闘中だが、ア・リーグ西地区で首位を争うレンジャーズで、メジャー昇格はなかなか見えてこない。

 NPB復帰を考えても不思議ではない境遇に置かれている。それでも、筒香の横浜高の先輩に当たるNPB関係者は否定的な見解を示す。

「筒香はカネのためにはプレーしない。巨人が好条件を提示したとしても、なびくことはない。アメリカで自分が納得いくまでプレーするはず。仮にNPB復帰を検討することになっても巨人はない。(古巣の)DeNAが獲得に乗り出すはずで、(DeNAが)ポスティングでのメジャー移籍を容認した経緯と、筒香の筋を通す性格を踏まえると、同一リーグのライバル球団(巨人)を選ぶことはあり得ない。バウアー獲得の時と同じ結果になるだろう」

「全権監督」の弊害がダメ押し

 DeNAは今年3月、ドメスティックバイオレンス(DV)問題で、MLBでは今季までの2 年間、出場停止処分を科せられていたトレバー・バウアーの獲得を、電撃的に発表した。レッズ時代の2020年にダルビッシュ有(パドレス)らを抑え、サイ・ヤング賞に輝いた超大物外国人投手である。

 コロナ禍でメジャー球団との交渉が難航していた20年オフには、巨人が菅野智之のポスティングによるMLB移籍に備え、バウアー獲得を検討したことがあった。

「今回も巨人は原(辰徳)監督が関心を示していたようだが、以前にバウアーが球団施設を訪ねた関係を起点にDeNAが交渉を優位に進めた。バウアーのアパレルブランドの支援などグラウンド外のことまでアピールし、心をつかんだ。球団が一体となって知恵を絞った成果だった」(セ・リーグ球団の編成担当)

 バウアーは5月3日の広島戦(横浜)で7回1失点と貫禄の投球で、初登板勝利を挙げた。1998年以来の頂点を狙う首位DeNAの快進撃を加速させる予感を漂わせる。

 今後の筒香の去就を巡り、さるDeNA球団関係者はこう語る。

「これで(移籍期限の)夏までに筒香が戻ってくれば、優勝に向けてもっと弾みがつく。(昨オフに)山崎(康晃)がメジャーに行かず残り、今永(昇太)は(今オフに)メジャー移籍すれば、日本で最後のシーズンになる。今季はバウアーも(1年契約で)加わり、千載一遇のチャンスで、筒香がいつ帰ってきてもいい準備をしている」

 バウアー獲得でDeNAの後塵を拝した巨人。筒香に触手を伸ばしたとしても、形勢は圧倒的不利のようだ。元NPB球団社長がダメ押しの理由を挙げる。

「巨人は原監督にチーム編成を委ねているから、編成の担当者が受け身になり、動きは鈍くなる。明確に分業制を敷き、フロントが周到に準備し、率先して動く球団との差は明らか。全権監督の弊害はこういうところにも出る」

 巨人は現有戦力のやり繰りで中田の穴を埋めるしかないようである。

デイリー新潮編集部

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