「ドロドロ血液」汚れの四つの凶悪原因とは? 血管を若返らせる「抗酸化食品」を紹介

ドクター新潮 ライフ

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血液検査の数値には表れない?

 少し寄り道をしてしまいましたが、血管を傷つける二つの要因は、それぞれ別々に起こるわけではありません。血液がドロドロに汚れることで動脈が硬化し、血圧が上昇する。血圧が上昇するとさらに血管がダメージを受け、老化が進む。つまり、「血管」の老化を防ぐためには、一にも二にも、血液が汚れないようにすることが大切なのです。

 ただ、やっかいなことに血液の汚れというのは健康診断などでは発見しにくい。私の患者さんの中にも一般的な血液検査の数値に問題がないことから、自分の血液がサラサラだと思い込んでいる方がよくいらっしゃいます。

 ところが、私が過去に東京女子医科大学附属成人医学センターを受診した約3千人分の血液検査データと、血液の流れを観察した画像を比較したところ、血液検査の数値が基準の範囲内なのに血液の流れが悪い人がたくさん見つかったのです。つまり、血液の汚れは相当程度悪化しない限り血液検査の数値に表れてこない。血液検査の数値が正常だからといって油断はできず、血液が汚れない習慣を心がける必要があるのです。

四つの原因

 血液の汚れの原因はさまざまありますが、中でも凶悪なのは四つ。「糖」「中性脂肪」「ストレス」「歯周病菌」です。

 一つ目の「糖」は、体を動かす際の燃料となる栄養素で、生命活動には欠かせません。でも、取りすぎると血液はハチミツのようにネバネバになってしまい、さらに慢性的に血中の糖が増えすぎた状態になると、糖尿病になってしまいます。

 また、健康な人の赤血球は柔軟に形を変えながら血管の中をすり抜けていきます。ところが、血中の糖が多いと赤血球が不良化して硬くなり、血管を傷つけたり、詰まらせたりする原因になるのです。

 二つ目の「中性脂肪」についてはネガティブなイメージをお持ちの方も多いでしょう。ただ、本来は、体の中で糖の代替燃料として使われる、体温を保つ、内臓を正しい位置に固定する、など重要な役割を持っているのです。ところが中性脂肪をため込みすぎると、使われなかった分が血液に溶け出し、糖が過剰なときと同じような弊害が生じることになります。

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