【天皇賞(春)】連覇を狙った「タイトルホルダー」が競走中止の大波乱 原因はリニューアルした「京都競馬場」にあった?

スポーツ

  • ブックマーク

Advertisement

 4月30日(日)に行われたG1レース、天皇賞(春)は、まさかの大波乱となった。単勝1・7倍とダントツの一番人気に推された昨年の覇者「タイトルホルダー」が、まさかの大失速で競走中止となったのだ。いったい何が起こったのか。

不穏な空気

 スポーツ紙記者がレースを振り返る。

「スタートは全頭綺麗に揃い、逃げ・先行策を大の得意とするタイトルホルダーがやはり今回も、ハナを主張し、前に出ました。このまま隊列が決まるかと思ったところで、大外枠に入っていた、こちらも逃げ馬のアフリカンゴールドが競りかけ、タイトルホルダーは2番手に下がります。その後、2頭で激しい先頭争いが続きました」

 動きがあったのは、コース2周目の向正面だった。

「タイトルホルダーと前を争っていたアフリカンゴールドが、急に失速。ずるずると後退していったのです。代わって先頭になったタイトルホルダーが、ここから後続を引き離していくと、誰もが思っていました。いつものタイトルホルダーだったら、ここからが強いんですよ」

 ところが、

「4コーナー手前から、まるでスイッチが切れたかのように、減速し始め、馬群からどんどん離されていきました。何かアクシデントが発生し、競走を中止したのは明らかです。その瞬間、歓声が悲鳴に変わりました。最後は、後方で足をためていたルメール騎手騎乗のジャスティンパレスが豪快に差し切り、G1初優勝を飾りましたが、場内には、ジャスティンパレスの優勝を素直に喜べない、不穏な空気が流れていましたね」

サイレンススズカの悲劇

 というのも、

「その時点ではタイトルホルダーが、いったいどういう状況で競走を中止したのか、誰も把握できていませんでしたからね。もし仮に骨折など、重傷を負っていて、予後不良と判断されれば、タイトルホルダーはそこで安楽死処分になってしまう。菊花賞、昨年の天皇賞(春)、そして宝塚記念も勝っている名馬の物語が、ここで終わってしまうのかと競馬ファンの多くは心配したのです。かつて、サイレンススズカという最強の逃げ馬がいましたが、天皇賞(秋)の競走中に故障し、予後不良と診断される悲劇があり、いまだに競馬ファンのトラウマになっています。それと同じようなことが、ここで再び起こってしまったのかと誰もが不安になりました」

 幸いにしてタイトルホルダーは大事には至らなかったものの、下された診断名は、「右前肢ハ行」。

「歩く時に痛みを伴っている状態のことです。まだ、正確なことはわかっていませんが、関係者のコメントなどを見ると、すぐに引退するといった重度の怪我ではなかったようで、まずは何よりでした」

 それにしてもなぜ、現役最強とも謳われたタイトルホルダーが、まさかの失速、競走中止となってしまったのか。

次ページ:急激な下り坂

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。