“濃い味付け”は子や孫にも悪影響、塩分の70%は「加工食品」から 今すぐ減塩すべき理由とは?

ドクター新潮 ライフ

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まずは1日1グラムの減塩から

「塩」のリスクは高血圧だけにとどまりません。降圧剤の効きも弱まってしまいますし、脳卒中や心不全、腎機能障害、胃がんのリスクを増大させることも分かっています。過剰な塩分は私たちの体に大きな負担を強いて、果ては恐ろしい病気を引き起こすのです。

 繰り返しになりますが、まずは1日1グラムの減塩から始めてみましょう。無理をしないことが継続のコツです。

 減塩1グラムごとに収縮期血圧(最高血圧)が約1mmHg減少するという報告がありますが、これはあくまでも平均値。先ほどもお話しした食塩感受性の高い生活習慣病の人たちや高齢者は、より大きな降圧効果を期待できます。

 また、仮に1mmHgの減少だとしてもバカにはできません。日本人全体の収縮期血圧を1mmHg低下させることができれば脳卒中死亡が年間3.2%、5mmHgで16%減少するという報告もあるからです。

加工食品から摂取する「見えない塩分」

 減塩の第一歩は、何に塩が含まれているかを知ることです。実は、私たちが一日に摂取する塩分の70%は、主に加工食品などから摂取している「見えない塩分」だといわれています。つまり、加工食品の利用をコントロールするだけで簡単に減塩ができてしまう。

 例えば、カップ麺やインスタントラーメンには、実に約5.5グラムもの食塩が含まれています。ラーメンを食べる場合は、スープを飲み干すことをやめるだけで2~3グラムの減塩成功です。

 それから梅干しなら約1.8グラム、漬物や辛子明太子、塩サバや干物には1グラム前後の食塩が。またパンにも0.9グラム程度の食塩が含まれていますから要注意です。加工食品を買う際には必ずパッケージなどに記載された成分表の食塩相当量を確認するようにしましょう。

 また、買い物の際、意識的に減塩食品を選ぶようにするのも有効です。そうすることによって、企業努力も促進され、減塩商品のラインナップはより充実することになります。

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