好スタートの福山雅治「ラストマン」 指をパチンと鳴らす姿も…イタリアで2年前に大ヒットした作品に酷似

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 福山雅治(54)が主演する「日曜劇場 ラストマン-全盲の捜査官-」(TBS系、日曜午後9時)が、23日放送の第1話で個人8.8%、コア(13~49歳の個人視聴率)5.5%、世帯14.7%の高視聴率を記録した(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。いずれも4月第3週(17日~23日)に放送された春ドラマの中でトップ。新しいタイプのドラマであることも歓迎された理由だろうが、実はイタリアで2年前に大ヒットした作品と相似している。

「ラストマン」とよく似たイタリアのナンバーワン・ドラマ

「ラストマン」と共通点および類似点が見出せるのは、イタリア放送協会のRai1チャンネルが2021年11月から全12話で放送した連続ドラマ「Blanca」(邦題「警察実習生ブランカのデコダージュ捜査」)。同年のイタリアのドラマで最高視聴率を記録した。

 評価も高かった。テレビ界の世界的コンテストである「C21国際ドラマアワード」において革新的なドラマと認められ、「DQ Craft Award 2021」を受賞した。好評につき、2021年には続編がつくられた。

「ラストマン」の主人公・皆実広見(福山雅治・54)が全盲のFBI特別捜査官であるのに対し、「Blanca」の主人公であるプランカ・フェッランド(マリア・キアーラ・ジャンネッタ)は全盲の警察実習生。どちらも障がいと警察の正規捜査員でないことが理由となり、周囲から疎まれる。皆実は警視庁捜査1課から拒絶され、ブランカはインターン先のジェノヴァ警察署でお荷物扱いを受ける。

 もっとも、皆実もブランカも正規捜査員の足手まといになるどころか、視覚以外の優れた能力を使い、事件を鮮やかに解決させる。皆実は第1話で火薬の臭いを嗅ぎ取り、爆弾製造犯の渋谷(宮沢氷魚・29)を捕らえた。一方、ブランカは女性の遺体から臭ったバニラの香りを手掛かりに連続殺人事件を解決に導く。

 聴覚が研ぎ澄まされているところも2人は一緒。皆実は自分の指をパチンと鳴らし、その音によって、周囲の状況を知る。

「音の反響を使って、ある程度、空間を認識することは可能です」(皆実、第1話)

 これは発想も動作もブランカと全く同じ。ブランカは倉庫内などに入ると、指をパチンと鳴らし、周囲の状況を探る。

 録音データを駆使するところも一緒だ。皆実は400ページにおよぶ連続爆破事件の資料を音声化し、それを数分で聴き終えた。一方でブランカは録音された会話やその声色、犯行に関わる場所でのノイズなどから、健常者には分からない事実を感じ取る。

 ちなみに「ラストマン」のスーリーの縦軸になりそうなのは、皆実の両親が死んだ火災の真相だが、「Blanca」の場合は姉が死んだ火事の真実。2人ともこの際に失明した。それぞれ10歳、12歳の時だった。

 加えて2人はどちらも日常生活に大きな不自由はない。また、ともに銃を撃つことが出来る。

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