好スタートの福山雅治「ラストマン」 指をパチンと鳴らす姿も…イタリアで2年前に大ヒットした作品に酷似

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新しい刑事・警察ドラマなら日本の10代も観る

 春ドラマには「ラストマン」以外にも新しい刑事・警察ドラマがある。「風間公親 -教場0-」(フジテレビ系、月曜午後9時)にほかならない。イギリス型の倒叙ミステリーだ。

「教場0」の視聴率は第、1話が個人7.2%と世帯12.1%、第2話が個人6.6%と世帯12.1%、第3話が個人5.7%と世帯9.8%。注目すべきは旧来の刑事・警察ドラマをほとんど観ず、1%割ればかりのT層(13~19歳の個人視聴率)の高い数字である。

 第1話から4.2%、4.1%、3.2%。T層が4%を超えた春ドラマはほかにない。3%以上の作品も僅かで、同じ3.2%で並んだのは「ラストマン」のみ。刑事・警察ドラマ嫌いの若者たちも、新しいタイプの作品なら観ることが分かった。

「ラストマン」の脚本を書いている黒岩勉氏(49)は、過去にも「グランメゾン東京」(TBS 系、2019年)がアメリカ映画「二ツ星の料理人」(2015年)に似ていると指摘された。さらに「僕のヤバイ妻」(フジテレビ系、2016年)はアメリカ映画「ゴーン・ガール」(2014年)に、「絶対零度 未解決事件特命捜査」(フジテレビ系、2010年) はアメリカドラマ「コールドケース 迷宮事件簿」(2003年)と相似していると言われた。

 似るのは仕方がない。世界一著名な劇作家であるシェークスピアが約300年も前に断じた通り、ストーリーのパターンは数が限られているのだから。

 欧米に追いつき、追い越せという時期だった1950~70年代の日本製工業製品も海外製によく似ていた。ドラマの場合、似ていたっていいから、まずは欧米並みの作品を量産できる体制を整える時期だろう。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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