「アップル預金」年利4.15%の衝撃 日本でのサービス開始に待望の声も、立ちはだかる意外な障壁

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 米IT大手のアップルが「金利4.15%」の預金サービスに乗り出したことが話題になっている。“雀の涙”以下の預金金利に慣れきった日本人にとっては夢のような話のため「上陸」を待ち望む声も多いが、コトはそう簡単でないという。

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 4月17日から始まったアップルの新しい預金サービスは、同社のクレジットカード「アップルカード」の利用者を対象としたものだ。提携する米ゴールドマン・サックスの普通預金口座を利用し、Walletアプリで開設可能。またアカウントに紐づけされた銀行口座やApple Cashの残高から入金や送金が無料でできるという。

「金利4.15%は、米連邦預金保険公社(FDIC)に加盟する金融機関の平均預金金利0.37%の10倍以上、日本のメガバンクの普通預金金利0.001%と比べると4000倍以上になります。口座維持手数料や最低預金額などの条件はない一方で、残高の上限はFDIC保護対象の25万ドル。新サービスの前提となるアップルカードは米国在住者向けサービスのため、日本のiPhoneユーザーらは利用できません」(米在住ジャーナリスト)

 アップルが2月に発表した決算(2022年10~12月期)では、中国でのコロナ感染再拡大を受けたiPhone減産などによって、19年以来となる減収減益を記録。そのためモバイル決済部門の伸長が経営課題に浮上していたという。
 
 ITジャーナリストの三上洋氏の話。

「アメリカの地方銀行やネットバンキングでは年利3~4%の預金金利はそれほど珍しくなく、また“アップル預金”の金利は4月の米FRB政策金利5%を下回るものです。それでも新サービスが与えるインパクトは大きく、金利面の魅力だけでなく、既存のiPhoneユーザーの利便性向上に直結することから、顧客の囲い込み効果は非常に大きいと見られています」

「アップル内ですべて完結」

 三上氏が続ける。

「もともとアップルは、iPhoneならOSから端末、アプリなどのコンテンツまで“アップル内ですべて完結させる”との企業理念のもと事業を展開してきました。そんななか、iPhoneに唯一欠けていたのが銀行機能だった。電子決済ではアップルカードのほか、iPhoneの支払い機能もありますが、これまで支払い口座は別の銀行でした。新サービスの開始によって“アップル内ですべてお金が回る”仕組みが完成したことになります」

 アップルの具体的な狙いについては、

「クレジットカード事情が日米では異なっており、アメリカでは“ミニマムペイメント”と呼ばれる、日本でいう“リボルビング払い”が主流でアップルカードも同様です。またアップルは『Apple Pay Later』というApple Payでの後払いサービスも先行して始めていました。いずれも手堅い手数料収入が見込め、利用者がカードを使うほどアップルの収益に繋がる仕組みとなっています」(三上氏)

 顧客の囲い込みだけでなく、収益向上にも資する“一石二鳥”のサービスだという。

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