苦手なセ・パ交流戦の前に…広島ファンが気が気でない「G7サミット」余波

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長期ロードで選手にかかる一番の負担

「長期ロードのハンディとは、ホテル暮らしや移動による疲れだけではありません。練習施設が使えなくなることです。ホームゲームとなる球団側も配慮してくれますが、時間、スペースともに限りがあります。それに、他所さまの施設なので勝手も異なります。不振選手は練習施設での調整を重ねながら復調していくものなので」(関係者)

 NPBは全国区のスポーツジムと契約し、シーズン中であれば、プロ野球選手は自由に利用できるようにしているが、グラウンドでボールを使った練習は限られた時間でしかできない。また、ホームチームのサブグラウンドを借りられないときもあるという。

「阪神は免疫ができていますからね。そういう歴史というか、今のレギュラー選手が生まれる前から、『8月は長期遠征』と決まっていましたから、抵抗感がないんです。阪神選手は長期ロードが年間スケジュールとして、体に刷り込まれている感じです。カープナインは初めての経験であり、5月というのも…」(前出・ベテラン記者)

 マツダスタジアムに帰還した後の日程も気になる。

 中日、ヤクルトとの6連戦を行った後は「セ・パ交流戦」に突入する。セ・リーグ全体が交流戦を苦手とする傾向は否めない。昨年、一昨年はセ・リーグがトータルで勝ち越したものの、広島は2019年から「3年連続最下位」の“一人負け”状態なのだ(20年は中止)。その原因は不明だが、広島ナインも交流戦には強い苦手意識を抱いており、5月で「壊滅的なダメージ」を負ってしまう危険性も高い。

「そもそも、序盤戦の広島を勢いづけたのは絶不調の巨人です。新井監督は開幕4連敗の苦しいスタートとなりましたが、4月7日からの巨人3連戦で3連勝し、借金を帳消しにしました。本当に強いのかどうかはまだ判断できません」(前出・同)

 そんなシビアな評価も聞かされると、異例の長期ロードの影響がますます心配になってくる。広島1区を選挙区とする岸田文雄首相は「私は生まれた時からカープファン」と公言する熱烈な鯉党で知られる。G7サミットも大事だが、カープの行方も気になって仕方ないのでは…。

デイリー新潮編集部

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