「山上徹也の模倣犯」木村隆二容疑者の“空虚” 動機の背景に浮上した「政治家は旧統一教会票で利益独占」の意味するところ

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「山上の模倣犯」

 昨年7月、安倍晋三元総理を銃撃した山上徹也被告の減刑を求める署名は1万3000筆を超えるなど、“悲劇のカリスマ”として神格化する動きはいまだ衰えを見せていない。

 精神科医の片田珠美氏が言う。

「山上被告が犯した行為は決して許されるものではありませんが、一方で被告に犯行を決意させた旧統一教会をめぐる問題では被害者救済法案が成立するなど、事件が現実の政治を動かした。そのため、一部で山上被告を“旧統一教会の悪を暴いた正義のヒーロー”として偶像視する傾向が見られるのは事実です。事件の形態やこれまで明らかになっている情報から、木村容疑者が山上被告にインスパイアされて事件を起こした“山上被告の模倣犯”である可能性は否定できません」

 ただし片田氏が危うさを感じるのは、山上被告のように“壮絶な生い立ち”を伴っているわけではないにもかかわらず、木村容疑者が同被告に「共鳴して同一視」したとも窺える点という。

「他人からは理解困難であっても、山上被告にとっては安倍元総理を狙う必然性がありましたが、現状、木村容疑者に“岸田首相でなければならなかった”理由があったのか判然としません。結局のところ、政治的な不満を持っていたとしても、傷つけられた自尊心の回復手段として“世間から注目を集めることで見返してやる”といった短絡的な心情が動機の核心部を占めている疑いも払拭できません」(片田氏)

 鬱屈した想いを抱える青年をテロへと駆り立てたものは何だったのか。木村容疑者の供述が待たれる。

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