最下位に沈む巨人 原監督の選手起用に関する考え方を推測すれば【柴田勲のセブンアイズ】

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原監督、途中休養の可能性は?

 巨人が開幕15試合を消化して単独最下位となった。前回の今コラムでは5位を受けて「来週は夢のある話をしたい」と締めたが、上昇する気配はない。

 4カード連続負け越し、5勝10敗で借金5、開幕15試合目で10敗は2リーグ制後、球団ワーストタイだという。急速に坂道を転げ落ちた。

 確かにいま、正念場ではないか。

 最近、食事に出ると知人から「巨人の試合が面白くない」「原(辰徳)監督の采配ですが……」「見ていると勝てる気がしない」などと声を掛けられる。巨人ファンは欲求不満が相当たまっているようだ。これからファン離れが相当進むかもしれない。

 このまま最下位を脱出できない。または5位と6位を往復するような事態になったら、こんな声はますます大きくなる。広がる。

 そのうち原監督の「途中休養」なんて話が喧伝される可能性が出てくる。新聞や週刊誌などが放っておかない。これを球団が最も危惧していると思う。

 原監督はコーチ人事や編成面を担う「全権監督」だ。全責任を負っている。球団はグラウンド内には口出ししないし、できない。仮にそんなことをしたら原監督の性格だ。「それじゃあ辞めます」となるかもしれない。

 考え過ぎならいいが、私はそんな事態には絶対になってほしくない。巨人では監督休養のケースはない。1947年6月、中島治康選手兼任監督が成績不振で事実上解任されて以来、シーズン途中で監督交代したケースはない。

 原監督は一刻も早くチームを立て直し、苦境から脱出してほしい。

なぜ打線を何度も組み替えるのか

 私は野球選手の能力は四つに分かれると考えている。特A・丸佳浩、坂本勇人、岡本和真、それに中田翔が力的に入る。A・レギュラークラス、吉川尚輝だ。B・レギュラーと控えの間、中山礼都や門脇誠らがそうだろう。C・2軍もしくは育成タイプの選手だ。

 原監督は時には若手選手を使いながら打線を何度も組み替えている。まるで日替わりのようだ。丸、坂本、吉川尚がスタメンから外されることもある。

 原に「どうして?」と聞いたら、おそらくこう答えるだろう。

「打てない選手は使えない。調子のいい選手を使うのが私の義務です」

 だが、特AやAの選手を外してBクラスを使っても代役になることは難しい。CはBにはなってもAにはなれない。Bは頑張ればAになれるが特Aはどうかと思う。

 レギュラーはレギュラーだ。いまはダメでも必ず打てるようになる。代わりはいない。チームの柱である坂本は現状に「申し訳ない」と思っているに違いない。相手チームもイヤなのは特Aやレギュラーたちだ。

 梶谷隆幸はAだと思っているが、再調整のために2軍に行った。秋広優人が上がってきたが、これはどうか。

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