露出の限界、AIグラビアの台頭…グラドルに転身した「東北No.1アナウンサー」が抱える7年目の葛藤

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“ヘルシー化”する業界とAIへの脅威

 もともとニュースや情報番組を担当していたこともあり、グラビアの世界の変化、トレンドについても常に情報を収集している。

「私がグラビアを始めた時は、30オーバーだったこともあって、温泉でしっとりというセクシーグラビアでやらせてもらってたんですが、最近は週刊誌のグラビア自体が傾向がナチュラルで、ヘルシーというふうになっていると思っています。あまりどぎついものを見られない。読者もお疲れの方が多いのか、グラビアに関しては、さわやかさを求めてらっしゃる方が多い感じがしています。週刊誌も女性にもグラビアを見てもらいたいと変わっている気がしていて。今回の写真集はそこら側のアプローチでやらせていただいたんですが、今後どういうふうに自分を売っていくかは今の悩みかもしれません」

 最近台頭するAIグラビアにも脅威を感じているという。

「自分たちの好きな顔のタイプ、体型のAIのグラドルを作られると、自分たちの存在意義はなんなのと思っちゃいます。でも、生身の人間だからこその魅力があると思うのでそこを追求していきたい。要はその人のストーリーだと思うんです。その人がどういう人生を歩んできたか、どういうことに悩んできたか。そこに共感してもらえるだけで、AIとは差別化できると思っています」

 ファン層は幅広い。最近もこんなことがあったそうだ。

「20代の男の子がイベントにきてくれたんです。ずっと私のグラビアを見ていて、甘えたいお姉さんのように思ってくれたらしく、就職して初任給が出てグラビアが買えるようになったから来たと言ってくれて。もうお姉さんとしては本当にキュンとなりました(笑)。実際に会って、本当にいるんだって感じてもらえる。それはAIではできないことですよね」

 今年2月からは音声プラットフォーム「AuDee」で、ラジオ「塩地美澄のふくろとじらじお」もスタートさせ、時に同業のグラドルをゲストに迎えながらグラビアを中心に様々な話題をしゃべっている。

「アナウンサーになったきっかけは声を褒められたことだったんですが、ラジオを始めたことでファンの方に声を褒めてもらえる機会が多くなりました。アナウンサーをやって、グラビアをやってと仕事をしてきた中で、私の声が一番の武器だと気づいたんです。 だから自分の声をブランド化していく動きをしたいなと今は思っています。声はグラビアとは対極にあると思っていたんですが、グラビアをやることでラジオの仕事に繋がり、声の大切さに気づいた。すべてが無駄じゃなくつながっていくんですね」

徳重龍徳(とくしげ・たつのり)
ライター。グラビア評論家。大学卒業後、東京スポーツ新聞社に入社。記者として年間100日以上グラビアアイドルを取材。2016年にウェブメディアに移籍し、著名人のインタビューを担当した。現在は退社し雑誌、ウェブで記事を執筆。個人ブログ「OUTCAST」も運営中。Twitter:@tatsunoritoku

デイリー新潮編集部

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