「衆院4補選」注目の「和歌山1区」で自民危機 「杉良太郎」まで投入し総力戦へ

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それぞれの事情

 ついにスタートした衆院補欠選挙(4月11日告示、23日開票)。安倍晋三元総理の死去に伴う山口4区を始め、今回は全国4つの選挙区で行われる。来るべき衆院総選挙を占う戦いとあって、同日投開票の統一地方選の後半戦以上に注目が集まっている。政府・与党からすれば、今回の結果がそのまま、これまでの岸田総理の政権運営に対する評価となるわけで、1選挙区も落とすわけにはいかないと、各地で激しい選挙戦を繰り広げている。

 政治部記者が言う。

「今回の4つの補選は、当然ながらそれぞれ、発生した事情が異なります。山口4区は安倍元総理の死去、山口2区は岸信夫元衆院議員の体調不良による引退、千葉5区は、薗 浦健太郎氏の政治資金規正法違反に伴う議員辞職。そして和歌山1区は、選出議員だった岸本周平氏の、和歌山県知事選への出馬に伴う補選です。普通に考えれば、自民党にとって一番苦しい戦いを強いられそうなのは、自民党議員が不祥事で辞めた千葉5区のはずなのですが……」

なんとしても議員に

 実際はそうではないという。

「もちろん、薗浦氏への風当たりは強いのです。が、今回、自民党が彼の代わりに立てた候補者・英利アルフィヤ氏は、両親がウイグル自治区出身、自身は日銀や国連で働いたことがあるという、異色のスーパーエリート女子。悪い意味での自民党臭がなく、かつ本人の物腰も柔らかく、かなり好感度が高い。加えて、野党が候補者を一本化できていないことから、この選挙区は自民優勢と見られています。そしてもちろん山口の2つの選挙区は保守王国と言うこともあり、自民がリード。そんな中で、一番の問題は、和歌山1区なのです」

 和歌山1区から出馬するのは、門博文氏。この選挙区で2012年の総選挙以来、4回に亘って岸本氏との戦いに敗れ、21年の総選挙では、ついに比例復活も叶わなかった人物だ。

「門氏がここまで弱いのは、2015年に週刊新潮に中川郁子衆院議員との“路チュー”を写真つきで報じられたことが大きく影響しているとみられ、自民党和歌山県連としても、候補者が門氏でいいのか、最後の最後まで悩んだのです。最終的には、自民党の推薦を受けて和歌山県知事になったかつてのライバル・岸本氏が応援についてくれること、そして何より、“なんとしても議員に返り咲きたい”と言う門氏本人の熱い情熱に選考側が押し切られ、候補者に選ばれたのですが」

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