なぜ宮内庁の初代広報室長に「外事警察の女性エース」が? 京大卒業後、スパイへの情報流出を防ぐエキスパートに

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 この春から宮内庁が新設する広報室の全貌が、明らかになってきた。いわゆる“小室騒動”以降、秋篠宮さまが熱望された新部署のトップに就くのは、意外にも強面(こわもて)の外事公安警察幹部。開かれた皇室の理念存続を危ぶむ声も聞こえてくるのだ。

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 3月下旬、4月からの宮内庁人事の内示が下ると、官庁街には激震が走った。

「宮内庁の初代広報室長に就くのが、知る人ぞ知る警察庁の女性キャリア官僚だと聞いて驚きましたね」

 と明かすのは、霞が関の事情に詳しい関係者だ。

「異動するのは、警察庁警備局の外事情報部で経済安全保障室長を務めていた藤原麻衣子氏。政府が力を入れている経済安保の最前線で、先端技術が企業や研究機関から中国などのスパイへと流出するのを防ぐエキスパートです」

 藤原氏は京大法学部を卒業後、警察庁に採用されて外国の捜査機関との連携や北海道洞爺湖サミットの実務で頭角を現した外事警察のエース。昨年4月に発足したばかりの経済安保室で責任者に抜てきされた彼女が、畑違いの宮内庁にやってくる。つまり異例の人事である。

「皇室報道ににらみ」

 さる宮内庁関係者が言う。

「“小室騒動”を機に批判の矢面に立った秋篠宮さまは、会見の場でSNSなどを活用した“正しい情報発信”の必要性を訴えてこられた。そこで宮内庁が出した答えが広報室の新設だったわけですが、この人事には首をかしげてしまいます」

 蓋を開ければ初代室長は宮内庁の西村泰彦長官の古巣・警察庁の後輩。広報に長けた専門家とは言い難い。

「広報よりもむしろ情報管理のプロであることは間違いないと思います。週刊誌を舞台にした皇室報道やSNS上で秋篠宮さまや眞子さんに異議を唱える投稿などに対して、今後は毅然とした対応を取る。いわば秋篠宮さまのご意向を受け、にらみを利かせるという姿勢を感じます」(同)

 その兆候は表れているというべきか。3月23日の宮内庁の定例会見で、広報室を含めた新体制への抱負を問われた西村長官は、

「あまり深く考えていなかったですが」

 と前置きした上で、皇室に対する国民の親近感を醸成するため、宮内庁として何ができるか考えていかないといけない、と淡々と述べるにとどめた。

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