【森保ジャパン】コロンビア戦で感じた日本の非常識 「背が低い」という先入観にとらわれていないか

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コロンビアの波状攻撃

 逆転弾は、バングーナガンデが瀬古と交代し、伊藤が左SBにスライドした直後に被弾した。ジョン・ハデル・ドゥランのドリブル突破は瀬古が阻止したものの、こぼれ球を拾ったジョン・アリアスがフリーでシュート。これはGKダニエル・シュミットが身体でブロックしたが、リバウンドをラファエル・サントス・ボレにオーバーヘッドキックで決められた。

 この失点シーンに関して森保監督は「私の交代カードの切り方で失点したので反省しなければいけない」と話した。

 そこで「違うカードの切り方があったのか」と質問したところ、「佳史扶の代わりにセンターバックを動かさず、サイドバックの選手を入れればよかったかもしれない。もちろん結果論で、背後を取られて失点した。前線からの守備の問題もある」と答えた。

 瀬古ではなく交代選手が町田浩樹なら、伊藤はCBでプレーを続けることができた。しかし指揮官が指摘したように結果論であり、町田も代表での出場経験はゼロなだけに、どこまで対応できたのか疑問は残る。

 失点は前述したように、こうした不運もつきまとうものだ。それよりも、日本の動揺を見透かしたようなコロンビアの波状攻撃を賞賛すべきかもしれない。

パワープレーの常識

 リードしたコロンビアは、のらりくらりとパスを回して時間を稼ぐ。対する日本は上田が惜しいシュートを放つものの決めきれない。

 すると森保監督は守田に代えて浅野を投入し、遠藤の1ボランチ、久保のトップ下によるダイヤモンド型の中盤と2トップの攻撃的な布陣にシフトした。

 前線の選手が増えたことで日本の攻勢が続いたものの、引いて守りを固めるコロンビアDF陣を崩すことはできず決定機はゼロ。そして試合はこのままタイムアップを迎えた。

 負けているにもかかわらず、手詰まり状態の攻撃に歯がゆい思いをしたのはいまに始まったことではない。

 古今東西、欧州・南米を問わず、ビハインドで残り時間が少なくなればパワープレーを採用するのが常識だ。

 しかし日本代表は、「日本人は背が低い」という先入観からパワープレーを採用したことがない。そろそろ世界の常識を、日本も採り入れるべきではないだろうか。

 今年の1月、第13回フットボールカンファレンスにゲストとして参加したオランダ代表のフランス・フックGKコーチは、カタールW杯準々決勝、アルゼンチン戦のエピソードを紹介した(W杯の舞台裏オランダ編)。

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