【森保ジャパン】コロンビア戦で感じた日本の非常識 「背が低い」という先入観にとらわれていないか

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鎌田より遠藤

 1試合の出来不出来でスタメンを外されたら、選手も自信と監督への信頼を失いかねない。そこで森保監督は、伊藤を左SBではなくシュツットガルトでプレーしている左CBで起用。鎌田もトップ下ではなく「我々の戦いの選択肢を増やす。所属チームでもやっているポジション」(森保監督)のボランチにコンバートした。

 結果はというと、伊藤はセイフティーファーストでプレーしていたし、鎌田もシンプルにパスを受けては出していて、2人の評価は「可もなく不可もなく」といったところ。それは見方を変えると、ポジション確保のためにはアピール不足と言うこともできた。

 前半3分の三笘の先制点は、ボランチ守田英正の右クロスから生まれた。守田は後半22分にも左サイドの深い位置まで攻め上がってクロスを送り、FW上田綺世の決定機を演出した(ヘディングシュートはGKの好セーブに阻まれた)。

 鎌田はハーフタイムにボランチ遠藤航と交代したが、本来なら守田のような攻撃に絡むプレーを彼には期待した。

 守田が攻め上がるなら、彼とコンビを組む守備的なボランチは鎌田より遠藤のほうが適任だろうし、田中碧もいる。トップ下でもボランチでも、鎌田のプレーは不完全燃焼に終わった印象が強い。コンディションが万全ではなかったとしても、だ。

バングーナガンデのアピール

 この2人に比べてアピールしたのが、2試合とも安定した守備を見せ、さらに効果的な縦パスと攻撃参加でゴールに絡んだ右SB菅原由勢と、代表デビュー戦となった左SBバングーナガンデ佳史扶である。

 バングーナガンデは三笘との関係でも「痒いところに手が届く」ように、気の利いたプレーで左サイドの攻撃を活性化した。

 前半19分、三笘がカットインすれば、バングーナガンデはその外側を攻め上がり、38分にはドリブルでインサイドに入ると、ワイドに開いていた三笘にパス。

 三笘の左クロスを伊東は空振りしたが、三笘がクロスを上げたのは2試合でこのシーンだけ。後半14分に膝を傷めてCB瀬古歩夢と交代を余儀なくされたが、長友佑都の後継者として期待を抱かせるプレーを披露した。

 試合に関しては、不運な2失点で逆転負けを喫した。前半33分の同点弾はCB板倉滉がハーフライン付近まで上がってヘッドでクリアしたものの、そのこぼれ球を左SBジョン・ルクミにつながれてのカウンターが起点だった。

 板倉が上がったことで菅原はセンター寄りにカバーしていたためルクミにスペースを与えてしまった。板倉も必死に戻ったものの捕まえきれずにクロスを許した。

 これがW杯アジア予選やアジアカップといった公式戦では、ペナルティーエリアに入られる前にファウルで止めるべきだろう。この日のコロンビアDF陣が三笘やMF久保建英を躊躇することなく反則で止めていたプレーを見習うべきだ。

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