【独占】「ゴーンヌおじさん」近藤祐司さん、ファイターズ実況卒業の理由と今後の野望  今季はマリーンズに“移籍”

スポーツ 野球

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 2023年シーズンのプロ野球が30日、ついに開幕する。新庄剛志監督の下、優勝を狙う北海道日本ハムファイターズだが、今季は2人の“近藤”を失った。一人はWBCでの活躍も記憶に新しい、近藤健介選手(福岡ソフトバンクホークスに移籍)。そしてもう一人が「UGK」「ゴーンヌおじさん」などの愛称で知られた近藤祐司さんだ。これまで8年間、スポーツ専門チャンネル「GAORA」のファイターズの日本ハム主催試合の実況を務めてきたが、今季からは担当しないことを発表したのだ。なぜ突然、“卒業”となったのか。ファイターズへの思いとともに、現在の心境を聞いた。

「本当はね、しれっと辞めようと思ってたんです。いつの間にか変わっているのが実況の世界だと思うから。けれど後任の土井悠平さんがSNSでファイターズの実況をやると発表したので、僕のところに『辞めるの?』って問い合わせが殺到して。それで1月6日にSNSで卒業を発表したんです」

 本塁打を「イッツゴーンヌ」、3者凡退を「ワンツースリー」 などメジャーリーグ流のフレーズを使った近藤さんの実況はファイターズファンにはおなじみで、2021年にはその決め台詞が聞ける「イッツゴーン!ボイス」というアプリが作られたほどだ。近藤さんの実況卒業が1月に発表されると、野球ファンから「ただただ寂しいです」「マジでショック、泣きそう」などの悲しみの声が数多く上がった。

寝耳に水の卒業話

 近藤さん自身にとっても、ファイターズの中継担当を外れることは寝耳に水だった。話があったのは、11月23日に札幌ドームで開催されたファイターズのファンフェスティバルの中継を終え、来シーズンのチームについて考えていた年の暮れだった。

「GAORAさんから突然『申し訳ない。事情があって、来年からは近藤さんに実況をお願いできなくなりました』と伝えられました。球団の意向であったり、たぶんいろいろとあったんだと思います。ただ恨みつらみはありません。この世界は請われてなんぼなので。プロ野球は日本のプロスポーツの中で一番ハードルが高く 、なかなかチャンスが回ってこない。その中で、8年間実況をやらせてもらえたことに対し本当に感謝しかない」

 近藤さんに話を伺ったのは、平日の昼下がりのファミリーレストラン。騒がしい店内でもよく通る声で明るく話してくれた。ただ心残りがないかというと、やはり嘘になるようだ。

「森本稀哲さん、建山義紀さん、稲田直人さんとずっと解説でご一緒していた方が、今季からファイターズのコーチに入られた。だから取材しやすい環境になっていくのかなと思ってたんですけど」

 今シーズンから、ファイターズは本拠地を札幌ドームから北広島市のエスコンフィールドHOKKAIDOに移す。メジャーリーグ流のボールパークだけに、そこで実況できなかったことに悔しさもある。

「昨年はずっと放送で『来年から新球場です』と言っていた中で、自分ができないというのはすごく悔しい思いもある。それはやってみたかったですよ。ただ、単純に選ばれなかった。それは自分の力不足を感じざるを得ないですね」

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