アンチエイジングの権威がオススメする食材は? 片足立ちが10秒できない人は危険? 「残念な老化」を防ぐ方法とは

ドクター新潮 ライフ

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五つのチェックポイント

 私たち医師は、患者さんの老化を診断する際に五つのポイントをチェックします。

(1) 血管年齢

(2) 脳・神経機能

(3) ホルモンの分泌

(4) 骨年齢

(5) 筋肉量

 さらに、これらの臓器等の衰えを予防するために、私は次の五つのカテゴリーに分類して、さまざまな若返り術を推奨しています。

A 食事

B 運動

C 生活習慣

D 脳/メンタル

E 医療

 遺伝的要素が老化の速度に影響を与えているのは事実です。つまり、自分ではいかんともし難い老化スピードに関するプログラミングが、遺伝子レベルでなされていることは否定できません。

 しかし、デンマークで行われた双生児の寿命に関する研究では、老化に対する遺伝子の寄与率は約25%であると推定されています。すなわち、残りの75%は自らの努力次第ということになります。これから挙げる若返り術などを実践することで、寿命を延ばし、残念な老化を防ぐことは可能なのです。

若返りには効果的でも…

 それでは早速、「5分類」に基づいた、若返り術を紹介していきたいと思います。まずは「食事」から。

 医食同源とはよく言ったもので、命の根源を司るのはやはり食事です。したがって当然、アンチエイジングを目指す上でも食事の改善がベースになります。先人はよく分かっていたわけです。

 例えば、代表的なヘルシー食として注目される地中海食を取る。アメリカの国立がん研究所が、がん予防効果のある食品の最上位として認めたニンニクを食べる。悪玉コレステロールを増やすような食品の摂取を控える……。

 どれも若返りには効果的ですし、これ以外にも世間には無数の「健康長寿食」や食事法が存在します。

 しかし、全ての食事法を実践するのは不可能です。そして何よりも、続かなければ意味がありません。さらに、楽しみながらやらなければ本末転倒です。苦痛を感じながら健康長寿食を食べ続ける――。そんな無理をする必要はありません。なぜなら、その食事や食事法は、あなたに合っていないからです。

 実際、2011年、科学雑誌の「サイエンス」に、「人生に幸せを感じている人はそうでない人と比べて14%長生きする」「先進国においては、幸せを感じている人は7.5~10年寿命が長い」という報告が掲載されました。やはり、楽しみながら続けられてこその若返り術なのです。

 そこで、エビデンスが豊富にあったり、あるいは私たちのグループが熱心に研究してきた、特にお勧めの二つの食事法についてここでは触れておきたいと思います。

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