二階元幹事長と世耕参院幹事長の“主導権争い” 老獪な二階氏の策略とは?

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 国会答弁はヨレヨレでも、「低位安定」の気配が出てきた岸田文雄総理。政権の行方を占う衆参両院の5補選(4月23日投開票)では自民の全勝説が出ていたものの、最近は雲行きが怪しくなりつつあるという。

「それを象徴するのが、二階俊博元幹事長と世耕弘成参院幹事長による、衆院和歌山1区の候補者を巡る主導権争いです」

 とは政治部デスク。

「自民党は2月25日に門博文元衆院議員の公認を決めました。ところが門は“勝てる候補”とはいえず……」

 これまで門氏は野党系の岸本周平氏(現・和歌山県知事)に4連敗。一昨年の衆院選では比例代表での復活もかなわぬ惨敗を喫した。

「門の資質と実力不足は明らかですが、昨年11月にライバルの岸本が知事に転身。自民党本部は世耕か、同じ参院議員の鶴保庸介元沖縄・北方担当相の擁立を検討した。そこへ門が世耕に泣きついて、何とか公認を手にしたというワケ」

結果がどうあれ損をしない

 門氏といえば、平成27年に本誌(「週刊新潮」)が報じた中川郁子衆院議員との路チュー不倫が話題に。その際、「いままで妻一筋かというと、そうとはいえんな」「風俗はソープランドだけや」などと珍妙な弁明を繰り返した。参院自民党を束ねる立場の世耕氏は、どうしてこんな人物を後押ししたのか。

「世耕は党総裁の座を見据え、10増10減という区割り変更の関係で現行の2区と3区が合併する、新2区への鞍替えを狙っています。二階の地盤と重なりますが、彼も84歳。地元でも今期限りで引退し、次回は三男に継がせると専らのうわさです」

 新2区での世襲を企図する二階氏は、1区を世耕氏の鞍替え先にするべく、かねて動いてきたという。

「そのため門の出馬は、世耕が二階の求めを断る格好の口実になったんです」

 事前の自民党の情勢調査では、鶴保優位との結果が出ていたという。が、二階氏は「県選出の国会議員の力強い後押しが決定を左右した」と最終的に門氏の出馬を受け入れてみせた。

 自民党関係者が解説する。

「二階さんにしてみれば、門さんが勝てば二階派の議員が1人増えますし、負ければ世耕さんの影響力が下がる。結果がどうあれ、まったく損はしませんから」

 その判断はあまりに老獪。

「知事選で自民党の推薦を受けたとはいえ、岸本さんの支持者が、門さんを本気で支援するはずがない。岸本さんは維新の馬場伸幸代表とパイプがあるから、むしろそっちに肩入れするかも」

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